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水力発電大国——電力の60%以上を水力でまかなうスイスのエネルギー

スイスの電力供給の約60%は水力発電由来(2022年連邦エネルギー省統計)。アルプスの高低差を活用した水力発電網と、再エネ先進国としての電力政策を解説。

2026-04-28
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スイスのアルプスは水資源の宝庫だ。標高差を利用した大規模ダム・揚水発電所が点在し、国内電力の約60%を水力で供給している(連邦エネルギー省、2022年度統計)。

残りの約30%は原子力(ただし2019年の国民投票で段階的廃止を決定)、太陽光・風力が増加中だ。

アルプスの地形がエネルギー資源

スイスの地形はエネルギー生産に向いている。高山帯に積雪・氷河が水を蓄え、春〜夏の融雪水が低地に流れ落ちる。この落差を利用したダム発電所は100年以上前から運用されているものもある。

グランド・ディクサンス(Grand Dixence)ダムはスイス最大の水力発電ダムで、重力式ダムとしては世界最高の高さ(285m)を持つ。ヴァレー州南部に位置し、総出電力は約2,000MWに達する。

日常の電力コスト

スイスの家庭用電力料金は欧州の中で高い水準にある。2024年の平均家庭用電力料金は約CHF 0.28〜0.35/kWh(約49〜61円/kWh)で、日本(約32〜38円/kWh)より高い。

一方で電力の再生可能比率が高く「グリーン電力」を意識する在住者も多い。太陽光発電パネルをバルコニーに設置する動きや、電力会社のグリーン料金プランへの切り替えが増えている。

原子力廃止後の課題

スイスは既存の5基の原子炉を寿命が来るまで使い続けながら、段階的に廃止する方針だ。この代替として水力の増強・太陽光の拡大が必要で、エネルギー安全保障は政策課題として議論が続いている。

スイスは冬の電力需要が水力発電の低い時期(凍結・雪解け前)と重なり、フランス等からの電力輸入に依存する季節がある。

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