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家具なし賃貸の現実——スイスの賃貸慣行と引越し時の費用

スイスの賃貸は基本的に家具なし(unfurnished)で、キッチンのシンク以外は何もない状態で借りるのが標準。引越し費用・保証金・物件探しの現実を解説します。

2026-04-09
スイス賃貸住居引越し家具なし

この記事の日本円換算は、1CHF≒175円で計算しています(2026年4月時点)。

スイスの賃貸物件を初めて内見した日本人が最初に驚くのは、キッチンが「シンクと水道だけ」の状態であることだ。冷蔵庫も、コンロも、食器棚もない。これがスイスの「標準的な」家具なし賃貸(Unfurnished)の現実だ。

家具なし賃貸が標準

スイスでは賃貸物件の多くが「Unfurnished」で貸し出される。これは日本の「家具なし」よりさらに徹底していて、キッチンのシステムキッチン(コンロ・オーブン・冷蔵庫・食洗機)が最初からついていない物件が多い。

前の入居者がキッチンを取り付けた場合、退去時にそのまま残置するか持ち出すかを交渉で決める慣行がある。引越し先に前のキッチンを持ってくる入居者も存在する。

入居時には「Übergabeprotokoll(引渡し確認書)」を作成し、傷・設備の状態を記録する。退去時もこの書類と照らし合わせて原状回復を確認するため、記録は丁寧に残しておく必要がある。

保証金(Depôt)の相場

スイスでは敷金として家賃の最大3ヶ月分を保証金として入れることが一般的だ。月2,000CHFの部屋なら6,000CHF(約105万円)が初期コストとして必要になる。

保証金は銀行の専用口座(Mietkautionskonto)に預ける形式が多く、入居者・家主ともに解約なしでは引き出せない仕組みになっている。退去時の状態が問題なければ全額返金される。

物件探しの競争

チューリッヒやジュネーブなどの主要都市では賃貸物件の空室率が3%以下と低く、物件探しは競争になる。Homegate・ImmoScout24・Tutti(スイス版ジモティー)が主要な物件検索サービスだ。

内見申込みから返事まで1〜2日以内に動かないと埋まることが多く、書類(収入証明・過去の家賃支払い実績・犯罪歴証明など)を事前に準備しておくと動きやすい。

引越し費用の試算

家具なし物件に引越す際の典型的な初期費用:

費目目安
保証金(家賃3ヶ月分)6,000CHF(2,000CHFの物件の場合)
引越し業者800〜2,000CHF
キッチン設備(コンロ・冷蔵庫等)1,500〜4,000CHF
家具一式(ベッド・テーブル等)2,000〜6,000CHF
初月家賃2,000〜2,500CHF

合計すると12,000〜20,000CHF(約210万〜350万円)が最初にかかる計算になる。IKEA(スイスにも店舗あり)や中古家具サービス(Tutti)を活用することで家具コストを抑える在住者も多い。

家賃保証(Bürgschaft)という選択肢

まとまった保証金が用意できない場合や、保証金を口座に寝かせたくない場合は、家賃保証サービス(Bürgschaft)を使う選択肢がある。ProtectRentやSwissGuaranteeなどのサービスが年間保険料(家賃の数%)を払うことで保証金の代わりになる。

スイスの賃貸は初期コストが高く、物件探しの競争も激しい。到着前に書類を揃えておき、内見申込みをすばやく進める準備が求められる。

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