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スイスの保育園に入れない?——Tagesmutter(保育ママ)という選択肢と費用の現実

スイスの保育園(Kita)は高額で空きが少ない。代替として広がるTagesmutter(保育ママ)制度の仕組み、費用、利用手順を在住日本人向けに解説。

2026-05-22
保育子育てTagesmutterKita費用

この記事の日本円換算は、1CHF≒170円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(CHF)の金額を基準にしてください。

スイスのKita(保育園)は1日あたりCHF 100〜150(約1.7万〜2.5万円)。月20日預けるとCHF 2,000〜3,000(約34万〜51万円)。東京の認可保育園の最高額が月8万円前後であることを考えると、4〜6倍のコストだ。

しかも空きがない。チューリッヒでは出産前からウェイティングリストに登録するのが当たり前で、半年〜1年待ちも珍しくない。

Tagesmutterという仕組み

Tagesmutter(ターゲスムッター)は直訳すると「日中のお母さん」。自宅で少人数の子どもを預かる認定保育者だ。スイスでは各州の法律に基づき、Tagesmutterは自治体の認可を受け、研修を修了している必要がある。

預かる子どもの上限は通常5人まで(自分の子どもを含む)。少人数のため、家庭的な環境で保育を受けられる。

費用はKitaより安いことが多い。1時間あたりCHF 6〜12(約1,020〜2,040円)が相場で、1日8時間預けてもCHF 48〜96(約8,160〜16,320円)。Kitaの半額以下になるケースもある。

探し方

各州・市のTagesmutter仲介組織が窓口になっている。チューリッヒでは「Verein Tagesfamilien Zürich」、ベルンでは「kibesuisse」の地域支部が紹介を行う。

手順はこうだ。仲介組織に連絡→希望条件(曜日・時間・地域)を伝える→マッチするTagesmutterを紹介される→面談→お試し期間→本契約。

面談では家の環境、他の預かり児の年齢、食事内容(アレルギー対応可否)を確認する。スイスドイツ語圏ではTagesmutterがドイツ語しか話さないケースが多いので、子どもの言語環境として問題ないかも考慮に入れる。

補助金(Betreuungsgutscheine)

チューリッヒ市など一部の自治体では、保育費用の補助(Betreuungsgutscheine)がKitaだけでなくTagesmutterにも適用される。世帯収入に応じて補助額が決まり、最大で費用の80%がカバーされるケースもある。

申請はオンラインで可能だが、補助の有無と金額は自治体ごとに異なる。引っ越し前に確認しておくと、保育コストが大きく変わる。

在住日本人の活用パターン

Kita週3日 + Tagesmutter週2日という組み合わせで利用する家庭も多い。Kitaの集団生活で社会性を、Tagesmutterの少人数環境で個別ケアを——コストと質のバランスを取る工夫だ。

スイスの保育は「高くて足りない」が前提。その中でどう組み合わせるかが、在住家庭の生活設計を左右する。

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