Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
教育・子育て

国際学力調査とスイスの教育——PISA上位の背景と実際の学校

スイスはPISA(OECDの学習到達度調査)で数学・理科・読解力で概ね上位に位置する。その背景と、現場の学校で実際に何が行われているかを解説。

2026-04-26
教育PISA学力学校子育て

スイスはOECDのPISA(学習到達度調査)において、2022年調査で数学18位・読解力21位・理科21位(OECD平均以上)に位置した。日本(数学5位・読解力3位・理科2位)より順位は低いが、OECD平均を安定して上回っている。

数字だけ見ると「高い」とも「特別に高い」ともいえない位置だが、この成績を支える仕組みは独特だ。

職業訓練との分岐

スイスの教育の最大の特徴は、中学年(10〜12歳)での早期トラッキングだ。成績や適性に応じて「Gymnasium(大学進学ルート)」か「職業訓練ルート」に分岐し、後者に進む生徒が約70%を占める。

職業訓練ルートも「実用的な知識を持つ人材を育てる」という観点で高い水準を維持しており、PISA全体のスコアを引き上げる効果がある。

教師の待遇と質

スイスの教師は社会的地位が高く、初任給でCHF 80,000〜100,000/年(約1,400万〜1,750万円)前後を得る地域もある。教師の賃金水準がOECDでも高い部類に入り、優秀な人材が職業として選ぶインセンティブがある。

外国人子女の現実

スイスの公立校では「統合」を重視し、言語サポートクラスを通じて外国人子女を現地校に取り込む仕組みがある。ただし各カントンで制度が異なり、手厚いサポートがある州とそうでない州の差がある。

外国人が多い都市部(チューリッヒ市内のクライス4・5等)では、クラスの半数以上が外国語背景を持つことも珍しくない。こうした環境でのスイス人教師の対応力が問われている。

コメント

読み込み中...