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文化・社会

スイスの選挙制度——比例代表と連立政権の仕組みと外国人の政治参加

スイスは4年ごとの連邦議会選挙と年4回の国民投票を組み合わせた直接民主主義の国。外国人が政治に参加できる仕組みと限界を解説。

2026-04-15
選挙直接民主主義政治国民投票社会

スイスの政治で最も独特なのは、年4回ある「国民投票(Volksabstimmung)」だ。連邦議会が可決した法律に対して異議がある場合、10万人の署名を集めれば国民投票に持ち込める(任意的レファレンダム)。法律を提案することも10万人の署名で可能だ(民衆発議)。

2021年には同性カップルの法的認可が、2023年には年金改革が国民投票で決まった。国内外の政策論争が、最終的には「国民が直接票を入れる」という形で決着する。

連邦議会と連立政権

連邦議会は二院制(国民議会200議席・全州議会46議席)で、4年ごとに選挙が行われる。比例代表制のため、複数の政党が議席を持つ。主要4政党(SVP・SP・FDP・Mitte)が連立で連邦参事会(内閣に相当、7人)を構成し、「マジックフォーミュラ」と呼ばれる議席配分の慣例が長年維持されている。

外国人の政治参加

連邦レベルでの投票・被選挙権は、スイス市民権保持者のみに認められている。外国人には選挙権がない。

ただし一部のカントンでは外国人の地方選挙参加権を認めている。ヌーシャテル州(Neuchâtel)はスイスで最初に外国人参政権を導入した州で、一定期間以上の居住者は地方選挙で投票できる。ジュラ州も同様の制度を持つ。

チューリッヒ・ベルン等の主要都市が属するカントンでは、外国人に地方選挙権はない。

国民投票の通知と在住外国人

スイス市民の家には定期的に「投票用紙セット」が届く。在住外国人には届かないが、内容(どんな議題が投票にかかっているか)は公式サイトで誰でも確認できる。スイスの政治に関心を持つ外国人が、法改正の動向をチェックするのに役立つ。

特に在住外国人のビザ・在留資格に関わる移民法の変更は、国民投票で決まることがある。スイスの政治ニュースを追う習慣を持つことは、生活上の実益になる。

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