スイスのゴミ出しルール——指定袋が1枚200円する理由と分別の全体像
スイスでは指定ゴミ袋が有料で、不正なゴミ出しには罰金がある。在住者が知るべきゴミ分別のルールと費用を解説します。
この記事の日本円換算は、1CHF≒170円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(CHF)の金額を基準にしてください。
スイスでゴミを捨てるにはお金がかかる。可燃ごみは指定の有料袋でしか出せず、35リットル袋が1枚約1.2〜2.5CHF(約200〜425円)。自治体によって価格が違うが、どこでも無料ではない。この仕組みがスイスのリサイクル率52%を支えている。
有料袋制度(Sackgebühr)
可燃ごみ(Kehricht)は自治体指定の袋でなければ回収されない。袋はスーパーや市役所で購入する。サイズは17リットル、35リットル、60リットル、110リットルなどがあり、大きいほど単価は割安になる。
指定袋以外の袋でゴミを出すと回収されず、放置される。悪質な場合は中身を調べて投棄者を特定し、罰金が科される。チューリッヒでは最大で10,000CHF(約170万円)の罰金規定がある。実際にはそこまでの金額になることは稀だが、数百フランの罰金は現実にある。
分別の種類
有料袋が必要なのは可燃ごみだけだ。リサイクル可能な資源は無料で回収される。だからこそ分別する動機が生まれる。
- 紙・段ボール: 月1〜2回、指定日にまとめて路上に出す。紐で縛ること
- ガラス瓶: 色別(透明・緑・茶)に分けて、各所にあるGlassammelstelle(ガラス回収所)に投入
- PETボトル: スーパーの回収ボックスに投入。キャップは外す
- アルミ缶: スーパーの回収ボックス、またはアルミ回収所
- 有機ゴミ(Grüngut): 生ゴミ・庭の草木。自治体の回収日に専用コンテナで出す(無料の地域が多い)
- 古着・靴: 赤十字やTextAidの回収ボックスに投入
- 電池: スーパーや電気店に回収ボックスがある
- 電子機器: 購入した店舗または回収拠点に無料持ち込み
回収スケジュール
ゴミの回収スケジュールはGemeindeごとに異なる。年初に回収カレンダー(Abfuhrkalender)が配布される。最近ではアプリで確認できる自治体も増えている。
可燃ごみは週1〜2回。紙は月1〜2回。有機ゴミは週1回(冬場は隔週になることも)。ガラスやPETは常設の回収所に自分で持っていくので、スケジュールに縛られない。
粗大ゴミ
家具や大型の不用品は、自治体のSperrgut-Abfuhr(粗大ゴミ回収)を利用する。年に数回の回収日があり、路上に出しておけば回収される。一部の自治体では事前登録や有料シール(Sperrgutmarke)の購入が必要。
リサイクルショップ(Brockenhaus)に持ち込む方法もある。まだ使えるものであれば無料で引き取ってくれることが多い。
在住者の実感
慣れてしまえば分別は生活の一部だ。むしろ「分別すれば無料」というインセンティブがあるので、有料袋に入れるゴミを最小限にしようという意識が自然に働く。スイスに住んで半年もすれば、ペットボトルを可燃ごみに入れることに罪悪感を覚えるようになる。
ゴミ袋代は月間で一人暮らしなら20〜40CHF(約3,400〜6,800円)程度。家族だと50〜80CHF。地味だが確実に家計に効いてくる固定費だ。