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チューリッヒの金融センター——UBS・クレディ・スイス後の世界と外国人金融マン

クレディ・スイスの消滅から1年以上が経過したチューリッヒ金融街の現在。UBS一強になった市場と、外国人金融専門職の採用・就労環境を解説。

2026-04-12
金融チューリッヒUBSクレディスイス就労

この記事の日本円換算は、1CHF≒175円で計算しています(2026年4月時点)。

2023年3月、クレディ・スイスがUBSに吸収合併された。167年の歴史を持つ銀行が事実上消滅し、チューリッヒの金融街(Bahnhofstrasse周辺)の風景が変わった。

UBS本社・プライベートバンク各行・保険大手Zurich・再保険大手Swiss Re——これらが集まるチューリッヒは今も欧州有数の金融センターだ。ただしクレディ・スイス消滅後、一部の機能はロンドン・フランクフルト・ニューヨークに移転している。

外国人金融マンの就労実態

チューリッヒの金融機関で働く人材の多くは外国出身だ。UBS・ピクテ・ロンバー・オディエ等のプライベートバンクは、アジア・中東・欧州各国の富裕層顧客に対応するため、多言語・多文化の専門職を積極採用してきた。

日本人の場合、アジアデスク(日本語対応)やコンプライアンス・リスク管理部門での採用例がある。給与水準は高く、ミドルレベルのファンドアナリストでCHF 120,000〜180,000/年(約2,100万〜3,150万円)が相場圏内だ。

ただし就労ビザの取得は厳しい。スイスはEU圏外国民に対してクォータ制を維持しており、企業がEU・EEA国籍者の中で適切な人材を見つけられなかったことを証明しなければ、日本人等の雇用許可が下りない。

クレディ・スイス消滅の余波

合併後にUBSが行った大規模なリストラで、チューリッヒ周辺だけで数千人の雇用が失われた。その結果として周辺の不動産・飲食・サービス業にも影響が出たが、大手4行(UBS・ピクテ・Vontobel・Julius Baer等)は比較的安定した雇用を維持している。

フィンテック系スタートアップがチューリッヒに増えており、伝統的な銀行キャリアとは異なる就労の入り口も広がっている。クリプト関連規制がスイスでは比較的整備されており、「クリプトバレー」の異名を持つツーク(チューリッヒから電車20分)と合わせて、金融×テクノロジー領域のポジションを探す外国人も多い。

生活コストとの折り合い

チューリッヒの家賃は高く、3LDKで月CHF 3,500〜5,000(約61万〜87万円)が相場だ。金融機関の給与水準はこの家賃を吸収できるが、支出管理は重要になる。金融業に就いている外国人でも、チューリッヒ郊外や隣のアーラウ等の小都市から通勤する選択も一般的だ。

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