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スイスの賃貸で家賃3ヶ月分が凍結される——Mietkautionskontoの仕組みと代替手段

スイスの賃貸契約では家賃3ヶ月分の敷金(Mietkaution)が銀行口座に凍結される。入居前に必要な資金、口座開設方法、保険型の代替手段を解説。

2026-05-22
賃貸敷金Mietkaution住居手続き

この記事の日本円換算は、1CHF≒170円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(CHF)の金額を基準にしてください。

チューリッヒで2LDK(3.5 Zimmer)を借りると、家賃はCHF 2,500〜3,500/月(約42.5万〜59.5万円)が相場だ。入居時に必要な敷金は家賃の3ヶ月分。つまりCHF 7,500〜10,500(約127万〜178万円)が、退去するまで銀行口座に凍結される。

日本の敷金1〜2ヶ月分とは桁が違う。しかもスイスの敷金は自分の銀行口座にあるのに、自分では引き出せない。

Mietkautionskontoとは

スイスの敷金制度は法律(OR 257e条)で定められている。敷金の上限は家賃3ヶ月分。大家が直接受け取るのではなく、テナント名義の専用口座(Mietkautionskonto)に預け入れる。

この口座は大家とテナント双方の同意がなければ解約できない。退去時に大家が損傷や未払いを確認し、問題がなければ口座の凍結が解除される。解除までに30日の異議申立期間が設けられており、実際に返金されるのは退去後1〜3ヶ月後だ。

口座開設の手順

  1. 賃貸契約書にサインする
  2. 銀行でMietkautionskonto開設を申請する(UBS、ZKB、PostFinance等)
  3. 家賃3ヶ月分を入金する
  4. 銀行が発行する確認書を大家に提出する
  5. 鍵を受け取る

口座開設には在留許可証(Aufenthaltsbewilligung)と賃貸契約書のコピーが必要だ。

保険型の代替手段

CHF 10,000近い現金を凍結されるのがきつい場合、Mietkautionsversicherung(敷金保険)という代替手段がある。SmartCaution、SwissCautionなどが提供しており、年間CHF 200〜400(約3.4万〜6.8万円)程度の保険料で敷金の代わりになる。

ただし注意点がある。保険料は毎年かかり、退去時に返ってこない。3年以上住むなら、現金で預ける方がトータルコストは低くなる。

退去時のトラブルを避けるために

入居時にWohnungsübergabeprotokoll(入居時確認書)を大家と一緒に作成する。壁の傷、床の汚れ、設備の動作確認を細かく記録する。写真も撮っておく。

退去時にこの記録がないと、もともとあった傷を自分のせいにされるリスクがある。スイスの大家は几帳面だ。壁の画鋲穴1つで補修費を請求されることもある。

入居前の出費は大きいが、制度として透明性が高い。ルールを理解して準備すれば、日本の「礼金」のような一方的な出費よりは合理的だと感じるようになる。

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