Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
教育

中国で子どもを育てるコスト——月5万円vs月50万円の格差

中国の子育てコストは都市と地方、公立と私立・インターナショナルで桁違いに異なる。北京・上海の高所得層が子ども1人に月数十万円をかける現実と、その背景にある教育競争。

2026-06-16
子育て教育費生活コスト

この記事の日本円換算は、1CNY≒22円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

中国の少子化が深刻だ。2023年の出生率はさらに低下し、政府が「3人目まで産める」政策を打ち出しても出生数は増えない。背景のひとつが子育てコストの高さだ。

中国の都市部(特に北京・上海・深圳)では、子ども1人にかかる教育・生活費が月数万〜数十万元に達するケースがある。


公立小学校は無料だが、「学区(学区房)」問題がある。良い公立学校の学区内にある住宅は価格が大幅に高い。北京・上海では学区目的のマンション購入が価格を押し上げてきた歴史がある。「子どものためにこの学区内に住む」という発想は、日本の教育熱心な家庭と共通する。

外国籍の子どもは公立学校の学区制の対象外になる場合が多く、インターナショナルスクールに通うことが多い。インターナショナルスクールの年間学費は10万〜30万元(約220〜660万円)が一般的な範囲とされる(学校・グレードによって変動)。


塾(補習班、ブーシーバン)への支出が子育て費用を膨らませてきた。英語・数学・ピアノ・水泳・武道——複数の習い事を掛け持ちさせることが「標準」になった都市部の親文化がある。

2021年の「双減政策」(学習塾の規制)により、学校の科目に関連する課外補習の商業化が制限された。塾業界は大幅に縮小したが、抜け道として「個人授業」や「芸術・スポーツ」系に需要が移った面がある。


在住外国人家族にとって、中国での子育てコストは渡航形態によって大きく変わる。企業派遣の駐在員なら住宅・教育費補助が出るケースが多い。自費移住・フリーランスの場合は、教育費が生活費の最大項目になることがある。

子育てコストの高さは、中国社会での少子化を加速させている要因のひとつと考える研究者も多い。この問題を解決する「安くて質の高い教育」の提供は、中国政府の長期的な課題だ。

コメント

読み込み中...