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中国のエアコン戦争——世界の7割を中国が製造する家電覇権の舞台裏

中国は世界のエアコンの約70%を製造し、格力・美的・海尔の三大メーカーが覇権を争う。中国の夏とエアコン文化、外国人の住居選びへの影響。

2026-05-25
エアコン家電製造業住居

この記事の日本円換算は、1CNY≒21円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(CNY)の金額を基準にしてください。

中国は世界のエアコンの約70%を製造している。格力(Gree)、美的(Midea)、海尔(Haier)の三大メーカーだけで、世界シェアの約40%を占める。日本のダイキンやパナソニックは技術力では上位だが、生産量では中国勢に及ばない。

この数字を知ると、中国の夏の過酷さが理解できる。重慶、武漢、南京、長沙——「四大火炉」と呼ばれるこれらの都市では、7〜8月の気温が連日40℃を超える。エアコンは贅沢品ではなく、文字通り生存のための装置だ。

中国のエアコンは壁掛け型が主流

日本のようなダクト式のセントラル空調は、中国の一般住宅にはほとんどない。壁掛け型のスプリットエアコンが各部屋に1台ずつ設置されているのが標準的な構成だ。

新築マンションでは天井カセット型のセントラル空調が増えているが、中古物件のほとんどは壁掛け型だ。引っ越し時にエアコンの状態を確認することは、中国では日本以上に重要になる。

古い物件のエアコンは冷房は効くが暖房は弱い、ということがよくある。上海や南京など、「暖気(集中暖房)」がない南方の都市では、冬の室内温度がかなり低くなる。暖房能力のあるエアコンかどうかは、物件選びの実用的なチェックポイントだ。

エアコン取付工の仕事

中国でエアコンの取り付け工(空调安装工)は、夏場に最も忙しくなる危険な職業だ。高層マンションの外壁に命綱一本でぶら下がり、室外機を設置する。作業員の日当は夏場にはCNY 500〜800(約10,500〜16,800円)に跳ね上がるが、事故も絶えない。

このリスクの高さにもかかわらず、エアコン取付工の需要は毎年増加している。中国の年間エアコン出荷台数は約2億台。毎年2億台の室外機が、誰かの手で壁に取り付けられている。

外国人が注意すること

賃貸物件のエアコンが故障した場合、修理費を大家と借主のどちらが負担するかは契約書(租房合同)で確認しておく必要がある。一般的には「元から設置されていた設備は大家が修理負担」だが、明記されていないとトラブルになる。

エアコンのリモコンが中国語のみの場合もあるが、基本操作は日本と同じだ。「制冷」が冷房、「制热」が暖房、「除湿」は日本語と同じ漢字。温度の単位は摂氏なので、日本人にとっては直感的に使える。

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