Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
暮らし・文化

中国のライブハウスが爆発的に増えている——北京・上海・成都の音楽シーンと行き方

中国のインディーズ音楽シーンが急成長し、ライブハウス(Livehouse)の数が5年で3倍に増えた。音楽番組のヒットが火をつけた独立音楽の現在地。

2026-05-28
音楽ライブハウスナイトライフインディーズ文化

この記事の日本円換算は、1CNY≒21円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(CNY)の金額を基準にしてください。

中国にライブハウスは似合わない——そう思っている人の認識は、すでに古い。2020年代に入って中国のライブハウス(livehouse、リヴハウス)の数は急増し、全国で数千軒に達している。

きっかけはテレビ番組「乐队的夏天(バンドの夏)」だ。2019年に放送されたこの音楽コンペティション番組が、中国のインディーズバンドを一気にメジャーにした。番組に出演したバンドのチケットは即日完売し、ライブハウスに行列ができるようになった。

都市別のシーン

北京: 中国のロック・パンクの発祥地。鼓楼(グーロウ)エリアにはSchool Bar、疆进酒(Jiangjiniu)など老舗がある。北京のバンドは政治的なメッセージを含む楽曲が多い。

上海: よりおしゃれで商業的。育音堂(Yuyintang)は上海で最も歴史のあるライブハウスの一つ。エレクトロニカやジャズの融合が盛んだ。

成都: 近年最も勢いがある。小酒馆(Little Bar)は中国インディーズの聖地と呼ばれる。成都のバンドは四川方言で歌う独自のスタイルを持つ。

チケットの買い方

大麦网(Damai.cn)か秀动(Showstart)というアプリでチケットを購入する。価格はCNY 80〜200(約1,680〜4,200円)が一般的で、有名バンドでもCNY 300〜500(約6,300〜10,500円)程度。日本のライブハウスと比べると半額以下だ。

外国人もパスポート番号で購入可能だが、人気公演は発売開始数秒で売り切れる。アプリに支付宝(Alipay)かWeChatPayを紐付けておく必要がある。

注意すべきこと

ライブハウスの開演時間は遅い。20時開場、21時開演が一般的で、終演は23時〜0時。北京や上海では地下鉄の終電が23時頃なので、帰りはタクシー(滴滴)になることが多い。

会場の飲み物はビールCNY 20〜40(約420〜840円)、カクテルCNY 40〜80(約840〜1,680円)。中国のライブハウスは「酒吧(バー)」の営業許可で運営しているため、飲み物の注文が事実上必須になっている場所もある。

音楽フェスティバル

ライブハウスの延長線上に、大型音楽フェスも急成長している。草莓音乐节(Strawberry Music Festival)、迷笛音乐节(MIDI Festival)が二大フェスだ。入場料は1日CNY 200〜500(約4,200〜10,500円)で、日本のフジロック(3日通し約5万円)と比べるとかなり安い。

フェスは北京、上海だけでなく、成都、長沙、西安などの内陸都市でも開催されるようになった。中国のインディーズ音楽は、もはや大都市だけのサブカルチャーではない。

中国語がわからなくても、音楽は言語を超える。ただし、成都で四川方言のラップを聴いたとき、「これは中国語ですらないのでは」という新しい困惑が待っている。

コメント

読み込み中...