中国で賃貸する際の敷金トラブル回避ガイド|押一付三の仕組みと退去時の注意点
中国で外国人がアパートを借りる際の敷金制度(押一付三)、契約時の確認事項、退去時のトラブル回避方法を実践的に解説します。
この記事の日本円換算は、1CNY≒21円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(CNY)の金額を基準にしてください。
中国の賃貸で最もトラブルになるのが敷金の返還です。外国人だから狙われるというより、そもそも敷金返還を巡るトラブルが中国の賃貸市場全体で日常的に起きています。
「押一付三」の基本構造
中国の一般的な賃貸契約は「押一付三(yā yī fù sān)」。敷金1ヶ月分+家賃3ヶ月分の前払いです。上海でワンルーム(一室一厅)を借りる場合、月額CNY 5,000〜8,000(約105,000〜168,000円)の物件なら、入居時にCNY 20,000〜32,000(約42万〜67.2万円)を現金またはAlipay/WeChat Payで支払います。
仲介手数料は通常1ヶ月分。つまり初期費用は家賃5ヶ月分。東京の礼金・敷金・仲介手数料の合計と同程度ですが、3ヶ月分前払いが含まれているため実質的な負担は少し軽い。
入居時にやるべきこと
敷金を確実に取り戻すための鍵は、入居時の状態記録です。
壁の傷、水回りの汚れ、家具の損傷を写真と動画で撮影し、日付入りで保存する。できれば大家(房东)と一緒に確認し、WeChat上で「この状態で入居しました」と送っておく。テキストメッセージは証拠として有効です。
エアコン、給湯器、洗濯機などの家電は入居当日に動作確認。壊れていたら修理を入居前に大家負担でやってもらう交渉をする。入居後に「壊したのはあなた」と言われるリスクを排除するためです。
退去時のトラブルパターン
よくあるパターンは3つ。
壁の汚れ・傷で減額: 経年劣化と入居者の過失の線引きが曖昧。入居時の写真が決定的な証拠になります。
清掃費の天引き: 契約書に清掃費の条項がなくても、「きれいにして返すのが常識」と言われるケース。退去前にCNY 200〜500(約4,200〜10,500円)で業者に清掃を依頼するのが確実です。
そもそも返さない: 連絡が途絶える悪質なケース。仲介会社経由で契約していれば仲介に介入を依頼できます。個人契約の場合は居住地の居民委员会に相談する手段があります。
契約書で確認すべき3つのポイント
- 退去予告期間: 通常1ヶ月前。これを守らないと敷金没収の根拠になる
- 修繕責任の範囲: 家電故障は大家負担か入居者負担か
- 敷金返還の期限: 「退去後○日以内に返還」と明記されているか
中国語の契約書が読めなくても、WeChat翻訳や友人の助けを借りて、少なくともこの3点は入居前に確認する価値があります。