中国で運転するには科目一を突破せよ——外国免許の切替え手続き完全ガイド
中国は国際運転免許条約に加盟しておらず、日本の免許では運転できない。切替えには中国語の学科試験(科目一)に合格する必要がある。100問中90点以上、問題集は約2,300問。手続きの全体像を解説。
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中国はジュネーブ条約(道路交通に関する条約)に加盟していない。つまり、日本で取得した国際運転免許証は中国国内で無効だ。中国で車を運転するには、中国の運転免許証を取得する必要がある。日本の免許を持っている場合は「切替え(換証)」が可能だが、学科試験の合格が条件になる。
切替えの基本要件
- 年齢: 18歳以上70歳以下(小型自動車の場合)
- 在留資格: 90日以上有効な査証(ビザ)または居留許可を所持していること
- 日本の運転免許証: 有効期限内であること
必要書類
- 日本の運転免許証(原本)
- 免許証の中国語翻訳文: 公証機関が認証した翻訳文が必要。日本大使館・領事館で認証を受ける方法と、中国の公証処で行う方法がある
- パスポート(原本+コピー)
- 居留許可証(原本+コピー)
- 境外人員臨時住居登記単: 公安局で発行される、外国人の住居登記証明
- 身体検査証明書: 指定の病院で受ける。視力・聴力・色覚・上下肢の検査。費用は30〜50CNY(約630〜1,050円)程度
- 証明写真: 白背景、3枚
科目一試験——最大の壁
日本の免許からの切替えでは、実技試験(科目二・三)は免除されるケースが多い。ただし、学科試験(科目一)は必須だ。
試験の概要:
- 問題数: 100問(1問1点)
- 合格ライン: 90点以上
- 制限時間: 45分
- 出題範囲: 交通安全法規、道路標識、緊急時の対応、運転マナーなど
- 言語: 中国語が基本。一部の都市(北京・上海など)では英語での受験が可能な場合がある
問題集は約2,300問のデータベースから出題される。スマートフォンアプリ「驾考宝典(ジアカオバオディエン)」や「驾校一点通」で練習問題を解くのが一般的な対策だ。アプリは無料で、地域別の最新問題に対応している。
問題の例としては、「この標識の意味は何か」「追い越し禁止区間で前の車が右折ウインカーを出した場合、どうするか」「霧の中で対向車が来た場合の正しい対応は」といった内容だ。交通ルールの知識に加え、中国語の読解力も問われる。
受験から交付まで
- 車管所(チェーグアンスオ)に申請: 必要書類を提出。受験場所は都市によって限定されている場合がある
- 科目一を受験: パソコンで回答する方式。即日結果が出る
- 合格後、免許証が交付: 通常1〜3営業日で発行。手数料は10CNY(約210円)
不合格の場合は再受験が可能。予約の間隔は地域によるが、1〜2週間空ける必要があるケースが多い。
臨時運転免許証(短期滞在向け)
出張・旅行で一時的に運転が必要な場合は「臨時機動車駕駛許可」を申請できる。有効期間は最長3ヶ月、科目一の受験は不要。日本の免許証と中国語翻訳文を車管所に提示して申請する。ただし運転できる車種や地域に制限がある。
そもそも車は必要か
上海・北京・深圳といった大都市では、地下鉄・バス・DiDi(配車アプリ)のインフラが整っており、車なしで生活できるケースが多い。車が必要になるのは郊外の工業団地への通勤や地方都市での生活だ。科目一の準備に2〜4週間、手続き全体で1〜2ヶ月を見込んでおくのが現実的だ。ただし中国の交通マナーは日本とは別物で、免許の取得は入口に過ぎず、路上の慣れには別の時間がかかる。