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中国の賃貸契約ガイド——敷金トラブルを防ぐために知るべき条項と交渉術

中国で部屋を借りる際の契約の流れ、敷金・礼金の相場、よくあるトラブルと在住者向けの対策を解説します。

2026-05-12
中国賃貸契約住居手続き

この記事の日本円換算は、1CNY≒21円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(CNY)の金額を基準にしてください。

中国で賃貸物件を借りると、退去時に敷金が全額返ってこない。返還率ゼロ。そんな経験をした在住外国人は少なくない。「壁に傷がある」「クリーニング代」「原状回復費」——理由は様々だが、契約時の一手間でトラブルの大半は防げる。

契約形態:押一付三が標準

中国の賃貸契約でよく使われるのが「押一付三(ヤーイーフーサン)」だ。敷金1ヶ月分、家賃3ヶ月分を契約時に一括で支払う。つまり初期費用は家賃4ヶ月分。

上海で月額8,000元(約168,000円)の物件なら、契約時に32,000元(約672,000円)が必要になる。月払いに変更できるかはオーナー次第だが、交渉の余地はある。

一部の物件では「押二付一」や「押一付一」もあるが、オーナーにとっては家賃未払いリスクが高まるため、外国人テナントには「押一付三」を求められることが多い。

仲介手数料

仲介会社(中介)を通す場合、仲介手数料は家賃の1ヶ月分が相場。近年は「零中介」を掲げるプラットフォーム(自如、贝壳找房など)もあるが、手数料が別の名目(サービス料など)で発生することがある。

自如(Ziroom)は内装済み物件をサブリースする形態で、オーナーとの直接交渉は不要。家賃にサービス料(月額家賃の5〜10%程度)が上乗せされるが、トラブル時の窓口が明確なので、中国語に自信がない在住者には選択肢になる。

契約書のチェックポイント

中国の賃貸契約書(房屋租赁合同)は中国語で作成される。必ず以下の項目を確認する。

賃貸期間と更新条件: 通常1年契約。自動更新か再交渉かを確認。途中解約のペナルティ(通常は敷金没収+残存期間の一部補償)も要確認。

敷金の返還条件: 退去時に「原状回復」が求められるが、何をもって原状とするかが曖昧だと揉める。入居時に部屋の状態を写真・動画で詳細に記録し、オーナーと共有しておく。

修繕責任: エアコン、給湯器、洗濯機などの設備が壊れた場合、オーナーが修理するのかテナントが負担するのか。契約書に明記されていなければ、署名前に追記を求める。

家賃値上げ: 更新時の家賃値上げに上限があるか。「市場価格に基づく」としか書いていない場合、大幅な値上げを要求されるリスクがある。

敷金トラブルの防ぎ方

入居時にやるべきことは一つ。部屋の隅々まで写真と動画を撮り、日付入りでオーナーに送信すること。WeChat(微信)で送れば、タイムスタンプ付きの証拠が残る。

退去時は立ち会い検査(验房)を行う。オーナーと一緒に部屋を確認し、問題がなければその場で敷金返還の合意を取り付ける。口頭ではなく、WeChatのテキストメッセージで「問題なし、敷金は〇日までに返還」と確認を取る。

それでも返してもらえない場合は、地域の住宅管理部門(住建局)に相談できる。最終手段として裁判所への訴えもあるが、少額であれば時間と労力に見合わないと判断する在住者が多い。

部屋探しの優先順位

在住外国人にとっての物件選びの優先順位は「立地 > 暖房(南方の場合)> 築年数 > 家賃」だ。職場から近く、地下鉄駅から徒歩10分以内。これだけで日常のストレスが大幅に減る。

オーナーの人柄も見極めたい。内見時のコミュニケーションでわかることは多い。レスポンスが早い、質問に丁寧に答える——こうしたオーナーは退去時のトラブルも少ない傾向がある。

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