ビジネス・法律
中国語の労働契約——外国人が署名する前に確認すべき条項
中国で働く外国人が直面する中国語の雇用契約。確認必須の条項(試用期間・競業禁止・秘密保持・解雇要件)と、外国人社員が陥りやすいトラブル事例を解説する。
2026-04-26
労働契約雇用法律在住外国人労働法
「日本語訳があるからといって、それが法的拘束力を持つとは限らない」——中国で労働問題が起きたとき、中国語原文の契約書が唯一の法的根拠になる。
中国の労働契約法の基本
中国では2008年施行の「劳动合同法(労働契約法)」が適用される。外国人であっても中国国内で就労する場合はこの法律の対象で、雇用保護・残業代・解雇手続きが規定されている。
確認必須の条項
①試用期間(试用期):最長は契約期間に応じて1〜6ヶ月。試用期間中の賃金は正式雇用時の80%以上が義務付けられている。試用期間後に雇用継続しない場合は正当理由が必要。
②競業禁止(竞业限制):退職後の競業他社への転職を一定期間(最大2年)禁止する条項。有効には補償金(月給の30%以上など)の支払いが必要。無補償の競業禁止条項は無効。
③秘密保持(保密协议):NDAに相当。会社の技術情報・顧客情報の持ち出しを禁止する。違反時の損害賠償額が記載されていることがある。
④解雇要件(解除劳动合同):法定の解雇事由(重大な規律違反・会社の人員削減等)以外での解雇は違法。一方的解雇には補償金が発生する。
外国語訳との乖離に注意
日英訳が付いていても、法的効力を持つのは中国語原文。翻訳の不正確さで不利な解釈をされたケースがある。重要契約は中国語が読める法律家(涉外律师)のチェックを受けることを推奨する。
会社変更時の注意
退職・転職時は競業禁止条項の対象期間と内容を確認してから動くことが重要。新しい会社が既存の競業禁止条項に抵触する場合、前の雇用主から訴訟を起こされるリスクがある。
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