中国で病院にかかる方法——外国人が知っておくべき受診の流れと費用
中国の病院で外国人が受診する際の流れ、費用の目安、国際クリニックと公立病院の違い、保険の使い方を解説。
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中国で体調を崩した時、最初に迷うのは「どこに行けばいいのか」だ。日本のように近所のクリニックに予約なしで行く感覚とは全く違う。中国の医療システムには独自のルールがある。
公立病院 vs 国際クリニック
中国の病院は大きく分けて2種類ある。
公立病院(三甲医院など): 設備と専門医の質は高いが、とにかく混む。初診の受付(挂号)に1〜2時間待ち、診察は5分、検査結果を持って再度並ぶ——という流れが普通だ。診察費は安い。初診の挂号費は専門外来でも100〜300CNY(約2,100〜6,300円)程度。
国際クリニック(私立): 北京・上海・広州などの大都市にある外国人向けクリニック。日本語対応のところもある。予約制で待ち時間は短く、個室で丁寧に診てもらえる。ただし費用は高い。初診料だけで800〜1,500CNY(約16,800〜31,500円)、検査や処方を含めると数万円になることも珍しくない。
受診の流れ(公立病院の場合)
- 挂号(受付): 病院の受付窓口またはアプリ(微信の病院ミニプログラム等)で予約・受付する。科を選ぶ必要があるので、症状に合った科がわからない場合は「全科」や受付で相談する
- 診察: 番号が呼ばれたら診察室へ。中国語が必要。通訳アプリや中国語ができる知人の同行を検討する
- 検査: 医師が検査を指示したら、検査室で別途支払い→検査→結果を持って再度医師のところへ
- 処方: 院内薬局で薬を受け取る
全てのステップで支払いが発生し、微信支付(WeChat Pay)や支付宝(Alipay)が使える。現金は受け付けない窓口も増えている。
費用の目安
公立病院で風邪程度の受診なら、挂号費+薬代で200〜500CNY(約4,200〜10,500円)。骨折でレントゲン+ギプスなら1,000〜3,000CNY(約21,000〜63,000円)。入院を伴う場合は数万CNYになることもある。
国際クリニックは全般的に3〜10倍高い。その代わり英語や日本語が通じ、保険の直接払い(キャッシュレス精算)に対応しているところが多い。
保険の種類と使い方
社会保険(城镇职工医疗保险): 中国で正式に雇用されている外国人は加入義務がある。公立病院での自己負担が軽減される。ただし国際クリニックには使えないことが多い。
民間医療保険: 駐在員は企業が海外駐在員保険に加入していることが多い。国際クリニックのキャッシュレス精算に対応しているかを事前に確認しておく。
海外旅行保険: 短期滞在の場合。対応病院が限定されるので、渡航前にリストを確認する。
日本語対応の医療機関
北京・上海には日本語対応の国際クリニックがいくつかある。
- 北京: 北京ユナイテッドファミリー病院などの国際病院に日本語通訳が在籍
- 上海: 上海にも日系クリニックや日本語対応可能な国際クリニックがある
数は限られるため、赴任直後に場所と連絡先を確認し、保険証のコピーと一緒にスマートフォンに保存しておくのが実用的だ。
救急時の対応
救急車は「120」で呼べる。ただし到着まで時間がかかる場合があり、自力でタクシー(滴滴出行)で最寄りの三甲医院の急诊(救急外来)に行く方が早いこともある。救急外来は24時間対応。
中国の医療は「仕組みを知っているかどうか」で体験が大きく変わる。事前に受診先と保険の使い方を整理しておくことが、いざという時の安心につながる。