コロナ後の中国観光——爆買いから内需観光へ、旅行文化の変化
コロナ禍で海外旅行が停止した中国では、国内観光(国内游)が急成長した。重慶・西安・成都が「インスタ映え都市」として人気になり、国内旅行者に向けた新しい消費が生まれた。
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コロナ禍(2020〜2022年)の間、中国人は国際旅行がほぼできない状態になった。その3年間で何が起きたか——中国の国内観光(国内游)が爆発的に成長した。
以前は「海外旅行に行ける中産階級」のステータスシンボルだった旅行が、国内の観光地を発見・再評価する機会になった。
重慶、西安、成都——これらは2019年以前からの観光地だが、2020〜2021年に国内旅行者に「再発見」された都市だ。
重慶は急斜面の地形を活かしたレトロな街並みと火鍋文化で、SNSでの拡散を通じて「インスタ映え都市」として全国規模の人気を獲得した。高速鉄道でアクセスしやすくなったことも拍車をかけた。
西安は秦の始皇帝の兵馬俑・城壁・回族街(回民街の清真料理)が集積する観光都市で、「漢服(ハンフー)を着て歴史の街を歩く」という体験が若い世代に受けた。漢服コスプレ観光の流行は西安から全国に広がった。
「漢服(ハンフー)ブーム」は観光と文化の両方に関わる現象だ。歴史的な中国服(特に唐・漢時代の衣装)を着て観光地を回る若者が増え、貸衣装業・フォトスタジオが各観光地に増殖した。「伝統文化への誇り」と「コスプレ感覚の楽しみ」が混在するこの文化は、国家の「文化自信(文化への自信)」推進とも重なる。
2023年初めにゼロコロナ政策が終了し、中国人の海外旅行が再開されたが、コロナ前ほどの「爆買い観光」への回帰は見られない。円安の日本は人気渡航先のひとつになっているが、「消費の質」への意識変化も起きており、高額ブランド品の爆買いより体験・グルメ・文化への支出を好む傾向が指摘されている(観光業界の観察として)。
国内観光で育った「地元の魅力を知る感覚」が、海外旅行のスタイルにも影響しているのかもしれない。