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文化・社会構造の分析

中国の読書文化とデジタル出版——紙からスマホへの移行はどこまで進んだか

中国ではスマホ読書アプリ(起点中文網・微信読書など)が普及し、電子書籍市場が急成長した。一方で国家の検閲がコンテンツを形成する構造と、創作文化の現在地。

2026-06-07
デジタル出版読書文化

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中国の地下鉄で周囲を見ると、乗客のほとんどがスマホを見ている。その多くがゲーム・動画・チャットだが、電子書籍を読んでいる人も一定数いる。

中国の電子書籍市場は規模が大きい。「起点中文網(チーディエン・チョンウェン・ワン)」はテンセント傘下の大手オンライン小説プラットフォームで、連載形式の小説を中心に膨大なコンテンツが集まっている。「微信読書(ウィーシン・ドゥーシュー)」はWeChatと連動した電子書籍アプリだ。


起点中文網の特徴は「連載課金モデル」だ。読者は数章分の試し読みで引き込まれ、その後は1章ごとに少額(数角〜数元程度)を支払うか月額制に加入して読み続ける。人気作家は毎日数千〜数万字の更新を続け、収入を得る。

ジャンルとしては「玄幻(ファンタジー)」「修仙(仙人育成)」「都市(現代ビジネス・恋愛)」「历史(歴史もの)」が人気だ。これらの人気ウェブ小説がアニメ・ドラマ・映画化される流れが定着しており、コンテンツ産業の「供給源」として機能している。


ただし出版・コンテンツには検閲の影響が常にある。政治的に敏感なテーマ、歴史的な批判的叙述、LGBTQ+コンテンツなどは規制の対象になりやすい。プラットフォームの自主審査も働くため、「書ける範囲」が定まった中での創作になる。

人気ウェブ小説が突然「整改(コンテンツ修正)」で更新停止になるケースが過去に起きており、読者・作者の間での不満の種になることがある。


紙の書籍市場も依然として存在する。中国の大型書店(西西弗書店・言幾又書店など)はインテリアを工夫したおしゃれな空間として人気があり、若者が写真を撮りに訪れる「インスタスポット」にもなっている。書店が「本を売る場所」から「過ごす場所・体験の場所」へと変化しているのはNZ・日本と同じトレンドだ。

中国の読書文化は、デジタルと紙の共存、そして国家の枠組みの中での創作という独自の形に変容しながら続いている。

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