テクノロジーと検閲——中国のインターネット規制と在住外国人の情報環境
グーグル・YouTube・LINEが使えない中国のインターネット規制(グレートファイアウォール)の仕組みと、在住外国人が情報にアクセスするための現実的な対応策を解説。
中国に来てスマートフォンを開いたら、GoogleもLINEもInstagramも繋がらない。これが多くの外国人が中国到着初日に経験する現実だ。
グレートファイアウォール(GFW)
中国のインターネット規制システムは「防火長城(グレートファイアウォール)」と呼ばれる。主要なブロック対象は以下の通り:
ブロックされているサービス(代表例):Google(検索・マップ・Gmail)、YouTube、Facebook、Instagram、Twitter/X、LINE、WhatsApp、Telegram、Wikipedia(英語版)、NYTimes、BBC
ブロックされていないサービス(代表例):WeChat、微博(Weibo)、百度(Baidu)、タオバオ、JD.com、Netflix(一部コンテンツ)、Zoom(ただし不安定な時期あり)
VPNの現状
技術的には民間向けVPNは規制の対象で、違法とされる。しかし実態として外国人が個人利用でVPNを使っていることは黙認されているケースが多い。ただし法的リスクはゼロではなく、状況は変化する。重要な会議・業務でのVPN利用は会社の方針を確認することが重要。
企業向けには「国際専用線(IEL)」と呼ばれる正規の越境回線があり、外資系企業の多くはこれを利用して社内ネットワークを維持している。
中国国内の情報ツール
グーグルの代替として百度(Baidu)が最大手だが、政治的に敏感なテーマの検索結果はフィルタリングされている。Bingは中国でアクセス可能(検索結果は一部制限あり)。
LINE・WhatsAppの代替はWeChat一択。日本の友人・家族との連絡は着任前にWeChatアカウントを作り、相手にもインストールしてもらうのがスムーズだ。
在住外国人の実際の使い分け
業務連絡:WeChat(中国側)+ メール + Zoom 日本の家族・友人との連絡:WeChat or LINE(VPN利用) ニュース:BBC・Guardianなどは閲覧できる日もあれば遮断される日もある
情報環境の変化に柔軟に対応することが、中国在住生活での重要なスキルの一つだ。