高考(ガオカオ)——中国の大学入試と受験戦争の社会的影響
毎年6月に1,200万人以上が受験する中国の大学統一入試・高考(ガオカオ)。一発勝負の試験が生み出す受験文化と、在住外国人の目に映る中国社会の教育熱を解説。
毎年6月7日、中国の街は独特の緊張感に包まれる。1,200万人以上の受験生が一斉に「高考(ガオカオ)」——中国の大学統一入試——に臨む日だ。この試験が終わった瞬間、街のあちこちで歓声と涙が交差する。
高考とは
高考は中国の大学入学統一試験。2〜3日間で語文(国語)・数学・英語の必須3科目と選択科目を受験する。満点は750点。北京大学・清華大学などのトップ校に入るには、省によっては680〜700点台が必要で、合格ラインは毎年変動する。
大学進学率が6割を超えた現在でも、どの大学に入るかが将来のキャリアや結婚相手の選択肢に大きく影響すると信じられている。
受験戦争の実態
受験生は高校3年間(高三の1年間は特に集中して)、1日12〜16時間勉強するケースも珍しくない。塾(培訓班)への支出は家庭によって年間数万元に達する。農村部の家庭が子どもの教育に家計の大部分を投じる光景は今も続いている。
試験当日、受験場の周囲では交通規制が敷かれ、工事音が止まる地域もある。親が受験場の外で何時間も待ち続ける姿は毎年ニュースになる。
外国人の子どもは高考を受けられるか
外国籍の子どもは原則として高考の受験資格がない。ただし中国国籍を取得した場合や、一定条件を満たす「华裔」(中国系外国人)は受験できるケースがある。在住外国人の多くはインターナショナルスクールから海外大学進学を選ぶルートをとる。
在住外国人が感じる文化差
高考が近づくと、中国人の同僚が「子どもの高考で休みを取りたい」と申し出ることがある。日本のセンター試験(現・共通テスト)に相当するイベントだが、社会的な重みと家族を挙げてのサポート体制は一段と濃い。
「頑張れ」ではなく「加油(ジャーヨウ)!」という言葉をかけてあげると、中国人の同僚との距離が少し縮まる。