西安と兵馬俑——古都に住む在住者の歴史体験
13の王朝が都を置いた古都・西安。世界遺産の兵馬俑を目の前に見ながら暮らす在住外国人の生活と、西安の現代的な魅力——美食・IT産業・学術都市としての顔を紹介。
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「兵馬俑の近くに住んでいる」と言うと、日本の友人に必ず驚かれる。西安の在住外国人にとって、それは特別でも何でもない日常の一部だ。
西安という都市
中国陝西省の省都・西安は人口約1,300万人(2020年)。周・秦・漢・唐など13の王朝が都を置いた歴史都市で、古代名称「長安(ちょうあん)」はシルクロードの出発点として知られる。日本の奈良・京都の都市設計は唐の長安をモデルにしており、日本人が歩くと既視感を覚える街並みに出会うことがある。
兵馬俑の体験
秦の始皇帝陵の副葬品として発見された兵馬俑は、1974年に農民が井戸を掘る途中に偶然発見した。現在は1〜3号坑が公開されており、入場料は120CNY(約2,520円)。市内から車で40〜50分。
在住者の特権は「いつでも行けること」。観光客が少ない平日の朝に訪れると、何千体もの陶俑を静かに観られる。季節ごとに特別展示も組まれており、何度訪れても新しい発見がある。
現代の西安
観光都市というイメージが強いが、西安は中国有数の学術都市でもある。西安交通大学、西北工業大学など重点大学が多く、IT・防衛・宇宙航空関連の企業が集積している。留学生の数も多く、キャンパス周辺には安価な食堂や書店が並ぶ。
生活コストと食文化
生活費は上海・北京の6〜7割程度。回族(ムスリム系中国人)の文化が根付くため、羊肉料理・パン類・ハラル食が充実している。名物の「肉夾馍(ロウジャーモー)」はスパイシーな煮込み肉を饼(パン)に挟んだ軽食で、15〜25CNY(約315〜525円)で食べられる。
「歴史の厚みの中で暮らす」体験を求めて西安に赴任を希望する駐在員もいるほど、文化的魅力の大きな都市だ。