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ドイツの育児手当Elterngeld——最大14ヶ月・給与67%支給の制度詳細

ドイツの育児手当Elterngeldの仕組み・金額・申請方法を在住日本人向けに解説。最大14ヶ月・給与67%支給の条件と注意点。

2026-05-02
Elterngeld育児手当育児休暇

この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(EUR)の金額を基準にしてください。

ドイツでは父親の育児休暇取得率が約26%。日本の約17%(2023年度)を上回る。その背景にあるのが、Elterngeld(エルターンゲルト)という育児手当制度だ。単なる「手当」ではなく、取得方法によって支給期間も金額も変わる設計になっている。

Elterngeldの基本構造

Elterngeldには3つのバリエーションがある。

種類支給期間支給額
Basiselterngeld(基本型)最大12ヶ月(両親で14ヶ月)出産前の手取り月収の65〜67%
ElterngeldPlus(プラス型)最大24ヶ月(両親で28ヶ月)基本型の半額を倍の期間
Partnerschaftsbonus追加4ヶ月ElterngeldPlusと同額

支給額の下限は月€300(約48,000円)、上限は月€1,800(約288,000円)。出産前に収入がなかった場合でも最低€300は受け取れる。

「両親で14ヶ月」の仕組みが独特だ。片方の親だけが取得する場合は最大12ヶ月。もう片方の親が最低2ヶ月取得すると、合計で14ヶ月に延長される。この2ヶ月を「パートナー月(Partnermonate)」と呼ぶ。

支給額の計算方法

出産前12ヶ月の平均手取り月収が計算の基準になる。月収€1,240超なら手取りの65%、€1,200未満なら67%が支給される。月収€1,000未満の場合は追加の補填もある。

例えば出産前の手取りが月€3,000(約480,000円)の場合、計算上は月€1,950だが、上限€1,800が適用されるため受け取れるのは€1,800(約288,000円)になる。

外国人の受給条件

EU市民でなくても受給できる。条件は以下の通り。

  • ドイツに居住していること(Wohnsitz)
  • 就労を許可する在留資格を持っていること
  • 就労ビザ・ブルーカード・家族帯同ビザ(就労許可付き)は対象
  • 学生ビザ・就活ビザは原則対象外(就労許可の有無による)

駐在員の配偶者が家族帯同ビザで入国し、出産した場合でも受給資格がある。ただしビザに就労許可(Erwerbstätigkeit gestattet)の記載がなければ審査で落ちる可能性があるため、事前にAusländerbehörde(外国人局)で確認しておくのが安全だ。

申請方法と注意点

申請先は州ごとのElterngeldstelle。オンライン申請が可能な州とそうでない州がある。

必要書類は出生証明書(Geburtsurkunde)、出産前12ヶ月の給与明細、雇用契約書、在留許可証、健康保険証明、産前産後休暇の確認書(Bescheinigung über Mutterschaftsgeld)など。申請は出産後に行うが、出産前に書類を揃えておくと処理が速い。支給開始まで通常6〜8週間。遡及支給は出生月から最大3ヶ月前までなので、出産後3ヶ月以内の申請が必須だ。

ElterngeldPlusと日本制度との違い

ElterngeldPlusはパートタイム勤務との併用を想定した設計だ。Basiselterngeldの半額が倍の期間——たとえば月€1,200なら月€600を最大24ヶ月——受け取れる。週25〜30時間のパートタイムで働きながら受給でき、キャリアの中断期間を短くしたい人に向いている。

日本の育児休業給付金との大きな違いは、Elterngeldが自営業者やフリーランスにも適用される点だ。日本の制度は「雇用保険加入者」に限定されるが、ドイツでは働き方を問わない。

州によって窓口や必要書類が微妙に異なるため、居住地のElterngeldstelleのウェブサイトで最新情報を確認するのが確実だ。

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