家族呼び寄せビザ——パートナー・子供を呼ぶ手続きの現実
ドイツで家族を呼び寄せるビザ手続きは複雑で時間がかかる。パートナー・子供別の要件と、実際にかかる期間・費用を整理する。
この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。
ドイツに単身で来て落ち着いてきた後、家族を呼び寄せることを考える人は多い。ただ手続きは思ったより複雑で、予想外に時間がかかるのが現実だ。
家族呼び寄せビザの種類
配偶者・パートナーの場合(Ehegattennachzug / Familiennachzug)
法的婚姻関係にあるパートナーが対象。ドイツに居住するスポンサー(在独配偶者)の滞在資格に基づいて申請する。
主な要件:
- スポンサーが有効な滞在許可(Aufenthaltserlaubnis)または定住許可(Niederlassungserlaubnis)を保持していること
- 申請者がドイツ語A1レベル(基礎) の語学証明を提出できること(Goethe-Institut等の証明書)
- スポンサーが申請者を含む家族の生計を維持できる収入を証明できること
- 適切な居住スペースがあること(面積要件は自治体によって異なる)
例外:EU Blue Card保有者・高度専門職(§18b〜19cのビザ)の場合、語学要件が免除される場合がある。また、語学取得が身体的・認知的理由で困難な場合も例外申請が可能だ。
子どもの場合(Kindernachzug)
16歳未満の子どもは語学要件なし。16歳以上18歳未満は語学・社会的統合要件が発生する場合がある。
手続きの流れ
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日本のドイツ大使館(または領事館)でビザ申請
申請者(家族)が日本にある管轄のドイツ大使館に予約を取り、書類を持参する。東京大使館は予約が非常に取りにくく、数ヶ月待ちになるケースがある。 -
在独スポンサーが現地でVerpflichtungserklärung(保証書)や収入証明を準備
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審査・発給
審査期間は通常2〜4ヶ月程度。書類不備があると追加書類の要求が来て期間がさらに伸びる。 -
入国後に外国人局(Ausländerbehörde)で滞在許可を取得
入国ビザはあくまで入国のためのもので、在独の滞在許可は別途取得が必要だ。
費用
| 手続き | 費用 |
|---|---|
| 家族呼び寄せビザ申請料 | €75(約12,000円) |
| 滞在許可申請料(ドイツ現地) | €100〜110(約16,000〜17,600円) |
| ドイツ語A1試験(Goethe-Institut) | 試験地によって異なる(日本国内:約13,000〜15,000円程度) |
よくある問題と対策
語学要件の壁
A1は最低限の基礎レベルだが、短期間での取得は難しい。3〜6ヶ月前から準備を始めることを推奨する。Goethe-InstitutのオンラインコースやDuolingo等の補助ツールで対策できる。
大使館予約の混雑
東京のドイツ大使館は予約が取れない時期がある。大阪・福岡・名古屋・札幌の総領事館も管轄内であれば利用できる。早めに予約ページを確認すること。
書類の翻訳
日本語の書類(戸籍謄本・婚姻証明等)はドイツ語または英語の公証翻訳(sworn translation)が必要なケースがある。翻訳会社によっては数週間かかるため、手続き計画に含めておくこと。
手続きは複雑だが、書類を正確に揃えて準備すれば乗り越えられる。外国人局の対応は自治体によって差があり、ベルリン外国人局(Landesamt für Einwanderung)は特に待ち時間が長いことで知られている。オンライン予約システムを定期的にチェックするか、弁護士(Rechtsanwalt)に代行依頼する選択肢もある。