ドイツのアパートにバルコニーがあると家賃が上がる——テラス・バルコニー文化の実際
ドイツの集合住宅ではバルコニーや屋上テラスの有無が家賃に影響する。夏の短い季節を最大限楽しもうとするドイツ人のバルコニー活用文化と、在独日本人の使い方を解説する。
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ドイツのアパートを探していると、「Balkon(バルコニー)あり」の物件は「なし」より家賃が高い。都市によって差はあるが、バルコニー付きは月€50〜€150(約8,150円〜24,450円)高いことが多い。
なぜこれほど価値があるのか。ドイツの夏が短いからだ。
夏の短さとバルコニーへの執着
ドイツの冬は長く暗い。10月から3月頃まで曇りの日が続き、日照時間が極端に短くなる(ベルリンやミュンヘンで冬の日照は1日4〜5時間程度になることもある)。
だからこそ夏が来ると、ドイツ人は外に出る。Biergarten(ビアガーデン)、フライバート(屋外プール)、湖、公園——そして自分のバルコニー。この屋外志向は、日照時間の少なさへの生理的な反応でもある。
バルコニーがあれば「外にいる感覚」を自宅で得られる。植物を育て、椅子を置き、夕方に一杯飲む。この空間が夏の生活の質を左右すると感じるドイツ人が多い。
バルコニーでの植物栽培
ドイツ人のバルコニーは花・野菜・ハーブを育てる「小さな庭」になっていることが多い。ゼラニウム(Geranien)の赤い花が窓辺に並ぶ光景はドイツの夏の定番風景だ。
バルコニーでトマト、パプリカ、バジル、ミント、イチゴを育てることは標準的な趣味の一つで、ホームセンター(OBI、Bauhaus等)の春の園芸コーナーは大賑わいになる。
バルコニーの使用ルール
ドイツの集合住宅にはHausordnung(ハウスオルドヌング、建物規則)がある。バルコニーでのBBQ(バーベキュー)禁止、洗濯物の干し方制限、ペットの扱いなどが規定されていることがある。
特に「バルコニーでのオープンファイアグリル(炭火、薪)」は多くの建物で禁止されており、電気グリルなら可とされることがある。契約前または入居後に確認しておく方がよい。
在独日本人とバルコニー生活
バルコニーは日本のマンションにも存在するが、「洗濯物を干す場所」という機能がメインの場合が多い。ドイツのバルコニーはより「生活の延長空間」として設計されている。
在独日本人の中には「バルコニーで朝のコーヒーを飲む習慣ができた」「ハーブを育てることが趣味になった」という人も多い。短い夏を最大限に使おうとするドイツ的な感覚が、自然と身に付いていくプロセスでもある。