ドイツ語力とビザ要件——どのビザにどのレベルが必要か・言語証明の取り方
ドイツのビザ種別によって求められるドイツ語力はA1〜B1と異なる。配偶者ビザ・ブルーカード・労働ビザ別の要件とGoetheTe Institut / telc / ÖSDの認定試験の選び方を整理する。
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ドイツのビザ取得では、種別によってドイツ語力の証明が求められる。「英語だけでビザが取れる」ケースもあるが、日本人が多く利用するビザカテゴリの大半でドイツ語の証明が条件になっている。
ビザ別のドイツ語要件
| ビザ種別 | 求められるドイツ語レベル | 備考 |
|---|---|---|
| 配偶者ビザ(Ehegattennachzug) | A1以上(基礎会話) | 入国前に証明が必要 |
| EU Blue Card(高度専門職) | 不要(英語でも可) | ただし就職・生活に事実上必要 |
| 労働ビザ(一般) | 原則不要だが職種依存 | 医療職・教育職はB2〜C1必要 |
| 永住権(Niederlassungserlaubnis) | B1以上 | 5年在住後の申請条件 |
| 国籍取得 | B1以上 | 市民権テストと合わせて |
A1〜C2はCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の段階。A1が最初歩、C2が最上級。
主な認定試験
Goethe-Institut(ゲーテ・インスティトゥート): ドイツ文化機関が運営。世界各地に試験センターがあり、日本でも東京・大阪・京都・福岡で受験可能。A1〜C2の全レベルを実施。信頼性が最も高く、各種ビザ申請に使える。
telc(ドイツ語検定): Goetheと並ぶ認定機関。価格がやや安め、試験頻度が高い。A1〜C1に対応。
ÖSD(オーストリア・ドイツ語検定): オーストリアのゲーテに相当する機関。レベルはA1〜C2。
試験費用
A1(Goethe-Institut): 日本での受験料は約13,000〜18,000円程度(時期・会場による)。B1は18,000〜22,000円程度。
配偶者ビザのA1要件
「配偶者がドイツで就労しており、自分が日本から呼び寄せられるケース」では、呼び寄せられる側(日本人)がビザ申請前にA1相当のドイツ語力を証明する必要がある。
A1は「自己紹介・買い物・簡単な挨拶ができる」レベル。準備期間は個人差があるが、集中して学習すれば3〜6ヶ月で合格できる水準だ。
EU Blue Cardの場合
EU Blue CardはEU内の高度専門職向けビザで、ドイツ語要件がない(英語での申請可)。ただしドイツで生活するには日常的なドイツ語が事実上必要だ。
特に医療・行政・子どもの学校・対面手続き等は英語が通じない場面が多い。Blue Cardを取れたとしても、「ドイツ語なしで生活できる」とは思わない方が現実的だ。
永住権申請のB1
5年在住後の永住権(Niederlassungserlaubnis)申請ではB1以上が必要。B1は「ニュースが概ね理解でき、仕事・旅行での一般的な会話ができる」レベル。
日本からドイツに来て5年、仕事や生活の中でドイツ語を使い続ければ達成できる目標だが、意識的に学習しないと「5年経ったがB1に届かない」ケースは実際に存在する。入国後から継続的な学習を積み重ねておくことが重要だ。