ドイツで年金を払うと将来どうなるのか——Rentenversicherungの仕組みと在独外国人
ドイツの公的年金(Rentenversicherung)は働く全員が加入義務を持つ。在独日本人が支払った年金は帰国後どうなるのか、日独社会保障協定と年金返還請求の実務を解説する。
この記事の日本円換算は、1EUR≒163円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
ドイツで働くと、給与から自動的にRentenversicherung(年金保険)が引かれる。2024〜25年時点で労使合わせた保険料率は約18.6%(被保険者負担は約9.3%)。毎月かなりの額が引かれる。
問題は「いつか日本に帰国する在独日本人にとって、この年金はどうなるのか」だ。
日独社会保障協定の概要
日本とドイツは2000年に社会保障協定を締結している。この協定の主な内容は「年金の加入期間の通算」と「二重加入の防止」だ。
日本の厚生年金に加入している状態でドイツで働く場合、一定の条件下でドイツの年金保険への二重加入を免除できる(手続きが必要)。会社派遣の駐在員はこの免除が適用されるケースが多い。
逆に、ドイツの年金保険に加入している期間は、日本の老齢年金の受給資格期間(25年以上など)に通算できる可能性がある。
帰国時の年金返還(Rentenerstattung)
日本に永久帰国する場合、ドイツの年金保険への加入期間が60ヶ月(5年)未満であれば、ドイツを離れてから24ヶ月以降に保険料の一部を一括で取り戻せる制度がある(Beitragserstattung)。
ただし条件がある。EUやEEAの国籍を持たないこと(日本国籍のみなら対象)、EU域内に居住していないこと、ドイツの年金保険への加入が5年未満であること、などだ。
返還額は労使合算のうち被保険者が支払った分の一部のみとされることが多い(雇用主負担分は返還されない)。
手続きの実際
帰国後2年が経過したら、Deutsche Rentenversicherung(ドイツ年金保険機構)に申請する。ドイツのSteueridentifikationsnummer(税務ID番号)と口座情報が必要になる。日本の銀行口座への送金も可能だが、手数料がかかる場合がある。
この手続きは日本にいながらドイツ語の書類を処理することになる。ドイツ語に自信がない場合、在独時に準備しておくか、日本でドイツ語対応の専門家に依頼するか、どちらかの方法がある。
ドイツに長期定住する場合
ドイツに10年以上定住し年金受給条件(保険料納付期間が5年以上等)を満たす場合、65〜67歳から年金を受け取る権利が生じる可能性がある。
この場合の計算は複雑で、个人の状況によって大きく異なる。Deutsche Rentenversicherungに問い合わせるか、ドイツの年金コンサルタント(Rentenberater)に相談するのが確実だ。