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住まい・不動産

ベルリンの住宅市場:「安い街」神話が崩れた後の現実

かつて「欧州で最も安い首都」だったベルリンの住宅費が急騰した背景と現状。外国人が家を借りるための競争とWBS(住宅割当証明)制度を解説。

2026-04-12
住宅賃貸ベルリン家賃相場住居探し

この記事の日本円換算は、1EUR≒165円で計算しています(2026年4月時点)。

2010年代のベルリンは「欧州で最も安い首都の一つ」として知られ、アーティスト・スタートアップ・フリーランサーが世界中から集まった。当時はワンルームを月400〜600EUR(66,000〜99,000円)で借りることができた場所が今でも記憶に残っている在住者は多い。

2024年現在、同じワンルームが月1,000〜1,600EUR(165,000〜264,000円)になっている。

家賃急騰の背景

人口流入(ドイツ全体からの移住者+EU内移民+難民)に対し、住宅供給が追いつかなかったことが主因だ。ベルリンは長年「新築より既存住宅の改修」に注力してきたが、人口増加には対応できていない。

不動産投資家による物件買収・リノベ後の値上げも起きており、「ジェントリフィケーション(高級化)」と「住民の追い出し」がクロイツベルクなどの人気エリアで問題になってきた。ベルリン市が家賃上限を設定しようとしたが(Mietendeckel)、2021年に憲法違反として無効になった経緯がある。

WBS(住宅割当証明)

ドイツ独特の制度に「WBS(Wohnberechtigungsschein:住宅割当証明書)」がある。低所得者向けに家賃を抑えた公営・公的補助住宅に入居するための証明書で、所得要件を満たせば申請できる。

外国人も条件を満たせば取得可能だが、実際に割当まで待つ期間が長く(数年単位)、即効性のある手段にはならない。

外国人が物件を探す際の壁

ベルリンで賃貸物件を探す外国人が直面する壁がある。

①書類要件が厳しい:SCHUFA(信用情報)スコア、給与証明3ヶ月分、前住居の家主からの推薦状(Mietschuldenfreiheitsbescheinigung)などが求められる。来たばかりの外国人はこれらを揃えられない。

②競争が激しい:人気エリアの物件内覧には20〜50人が来ることがある。その場でアピールする自己紹介書(Selbstauskunft)を用意しておく必要がある。

③英語のみでは不利:大家や不動産エージェントとのコミュニケーションでドイツ語が話せると明らかに有利になる。

現実的な選択肢

短期滞在時はWunderflatsHousingAnywhereなどの中短期専門サイト、またはAirbnbの中期滞在オプションから始め、ドイツ語を学びながら長期物件を探すアプローチが現実的だ。日本人コミュニティのFacebookグループでの部屋探しも有効な情報源だ。

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