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「Hartz IV」から「Bürgergeld」へ——ドイツ失業給付の変遷と現在

2000年代のハルツ改革で生まれた失業給付制度は、2023年にBürgergelg(市民手当)へと改称・改革されました。何が変わり、何が批判され続けているのかを解説します。

2026-06-16
Bürgergeld失業給付社会保障ハルツ改革

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「Hartz IV(ハルツ・フィア)」という名前を知っているドイツ人は多い。21世紀初頭のシュレーダー政権が断行した労働市場改革の一環で、2005年に導入された失業扶助・社会扶助統合の給付制度だ。

設計者の名前(ペーター・ハルツ)をそのまま制度名にしたこの給付は、受給者への連想と結びついた社会的スティグマを伴いながら、20年近くドイツ社会の議論の中心にあった。

Hartz IVとは何だったか

Hartz IVは、長期失業者や低所得者への最後のセーフティネット(生活保護的な位置づけ)として機能した。月額数百ユーロ程度の基礎給付(Regelsatz)に加え、住居費が実費補助された。

批判も多かった。給付削減の脅しにより、本来の仕事でなくても受け入れざるを得ない「安い仕事の押しつけ」が起きる、というものだ。また受給自体に社会的烙印があり、「Hartz IVをもらっている」という言葉がネガティブな文脈で使われた。

2023年のBürgergeld改革

2023年1月、ショルツ政権はHartz IVを廃止し、「Bürgergeld(ビュルガーゲルト:市民手当)」として制度を再設計した。

主な変更点:

  • 基礎給付額の引き上げ(段階的に実施、物価連動)
  • 「就労を強制する」姿勢を緩和し、職業訓練・資格取得への支援強化
  • 受給開始後1〜2年は財産の一定額を保護(即座の処分を求めない)

改革の趣旨は「罰則より支援」へのシフトだが、財政コストの増大や「働かなくていい」文化を醸成するという批判も保守側から出た。

在独日本人への実際の関連

一般的な就労ビザで働くケースでは、失業時に受給できるのはまず「Arbeitslosengeld I(失業保険Ⅰ:拠出型)」だ。一定の拠出期間があれば、失業前の賃金の60〜67%を最長24ヶ月受給できる。

Bürgergelは、Arbeitslosengeld Iの受給期間が終わった後、または拠出が不十分な場合に受給できる「生活保護的」なものだ。長期滞在・定住者でないと関係してくる局面は少ないが、ドイツの社会保障制度の理解として知っておくとよい。

ドイツ語能力と就職の現実

外国人がJobcenterで失業給付を受ける手続きをする場合、ドイツ語能力が実質的に要求される。書類はドイツ語のみの場合が多く、窓口もドイツ語でのやり取りが基本だ。支援してくれる通訳や相談窓口(NPO、支援団体)を活用する選択肢もある。

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