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ドイツの借家人は強い——Mietrecht(借家法)が守る賃借人の権利

ドイツは欧州でも借家人の権利保護が特に手厚い国です。家主が一方的に追い出せない、家賃値上げにも上限がある——その仕組みを在住者の視点で解説します。

2026-06-13
Mietrecht賃貸借家権ドイツ法律

この記事の日本円換算は、1EUR≒163円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

ドイツで家を借りると、日本とは異なる感覚を覚えることがある。自分が守られている感覚だ。

ドイツのMietrecht(ミートレヒト:借家法)は、民法典(BGB)の中でも賃借人の保護に手厚い条文が多く、欧州の中でも特に借家人の権利が強いとされる。

家主が契約を終了させるのは難しい

ドイツでは、正当な理由なく家主が賃貸借契約を解約することは原則できない。認められる理由は限られていて、例えば「家主自身が住む必要がある(Eigenbedarf)」「賃借人が重大な義務違反をした」などだ。

Eigenbedarfを理由にした解約の場合、事前の通知期間も決まっている(在住期間により3〜9ヶ月)。さらに裁判所が審査するため、虚偽のEigenbedarfは違法で損害賠償の対象になる。

家賃値上げの制限:Mietpreisbremse

「家賃ブレーキ(Mietpreisbremse)」という制度が2015年に導入されている。指定地域(需要過剰地域)では、新規契約時の家賃が「地域相場(ortsübliche Vergleichsmiete)の10%以上高い価格」に設定できない。

ただしこの制度には抜け穴や例外も多く(新築・大規模改修済み物件は対象外等)、実効性への批判もある。また指定地域かどうかは自治体によって異なるため、入居前に確認が必要だ。

Kaution(保証金)のルール

入居時に支払う保証金(Kaution)は、最大3ヶ月分の家賃(基本家賃、Kaltmiete)が上限と法律で定められている。退去時には、損傷の補修費用を差し引いた残額が返還される。

退去後の返還には数週間から数ヶ月かかることもある。返還されない・不当に差し引かれるというトラブルは、ドイツでも起きる。Mieterverein(借家人組合)に相談するか、弁護士費用をカバーするRechtsschutzversicherung(法律保護保険)があると安心だ。

Übergabeprotokoll(引渡し議事録)の重要性

入居時・退去時に物件の状態を詳細に記録した「Übergabeprotokoll(ユーバーガーベプロトコル:引渡し議事録)」を作成することは必須だ。キズ、汚れ、設備の状態を写真つきで記録しておくことで、退去時の不当な請求を防ぐことができる。

このドキュメントがあるかないかで、保証金返還のトラブルが大きく変わる。

Mieterverein(借家人組合)の活用

年会費数十ユーロ程度でMietervereinに加入すると、家主とのトラブル時に法的アドバイスが受けられる。ドイツ各地に拠点があり、日常的な賃貸契約の相談にも乗ってもらえる。長期在独者には加入を勧める。

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