ドイツのMinijobは月€538まで非課税——副業・アルバイトの税制を正しく理解する
ドイツのMinijob(月収€538以下の雇用)は所得税・社会保険料が免除される。学生・配偶者・副業者向けのMinijob活用法と注意点を解説。
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ドイツのスーパーのレジ、カフェのウェイター、家庭の清掃。これらの仕事の多くは「Minijob」として雇用されている。月収€538(約86,080円)以下であれば、労働者側の所得税と社会保険料が原則免除される仕組みだ。
Minijobの基本構造
Minijobは「geringfügige Beschäftigung(軽微な雇用)」の通称。月収上限は€538(2024年時点、最低賃金€12.41×月43.3時間で算出)。この上限を超えなければ、労働者は所得税・健康保険・失業保険・介護保険の負担が免除される。
雇用主側は約30%の社会保険料・税金を負担する(年金保険15%、健康保険13%、事故保険等)。労働者には見えにくいが、雇用主のコストは低くない。
年金保険のオプトアウト
2013年以降、Minijob労働者はデフォルトで年金保険(Rentenversicherung)に加入する。月額の自己負担は約3.6%(€538なら約€19/月)。この加入は書面で免除申請(Befreiung)できる。
年金保険に加入しておくと、将来のドイツ年金の受給資格(最低5年の加入期間)に算入される。日本に帰国する可能性が高い場合は免除申請する選択肢があるが、ドイツに長期滞在するなら加入しておくメリットがある。
学生とMinijob
留学生がMinijobをする場合、学期中は週20時間以内の就労制限がある(滞在許可の条件による)。Minijobの週あたり労働時間は10〜12時間程度が一般的なので、この制限に収まることが多い。
ただし、ビザの種類によってはMinijobも含めた就労が禁止されている場合がある。Language Visa(語学ビザ)では原則就労不可。就労許可の有無をAusländerbehördeまたはパスポートの滞在許可ステッカーで確認する。
配偶者のMinijob
駐在員の配偶者がMinijobをするケースがある。配偶者ビザに就労許可が付いていれば可能だ。世帯収入としてMinijob分は非課税のまま加算できるため、税制上のメリットがある。
ただし、配偶者が本業を持ちつつMinijobを副業にする場合、本業の雇用主に通知義務がある場合がある。雇用契約書のNebentätigkeit(副業)条項を確認する。
Midijob(€538.01〜€2,000)
Minijobの上限を超えると「Midijob(Übergangsbereich)」に移行する。月収€538.01〜€2,000の範囲では、社会保険料が段階的に増加する。€538を€1でも超えた瞬間に社会保険料が発生する「崖」があるため、勤務時間の管理が重要になる。
Minijobの求人はMinijob-Zentrale(minijob-zentrale.de)やJoliバイト等で探せる。ドイツ語が日常会話レベルであれば、カフェやレストランのMinijobは見つかりやすい。
月€538の収入はベルリンの家賃の半分にも満たないが、ドイツ社会の一端に触れる入り口としてのMinijobには、金額以上の価値がある。