ドイツの確定申告(Steuererklärung)——やると返ってくるお金の話
ドイツでは確定申告(Steuererklärung)は義務の場合もありますが、多くのケースで申告すると税金が還付されます。やり方と還付を受けやすい状況を解説します。
この記事の日本円換算は、1EUR≒163円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
ドイツで働いていると、「確定申告(Steuererklärung:シュトイアーエアクレールング)をやると税金が返ってくることが多い」という話を耳にする。
これは事実だ。多くの場合、申告することで数百〜数千ユーロの還付を受けられる。やらないのは「お金を捨てている」に近い。
なぜ還付されるのか
ドイツの給与所得者は毎月「Lohnsteuer(ロンシュトイアー:源泉所得税)」を天引きされる。この源泉徴収は「最大税額」で引かれていることが多く、実際に申告して控除を適用すると、過剰に徴収された分が戻ってくる仕組みだ。
控除できる主な費用
Werbungskosten(業務関連費用)として、以下が対象になる:
- 通勤費(Entfernungspauschale):自宅〜職場間の片道距離1kmにつき0.30〜0.38ユーロ(年度・条件で変化)
- ホームオフィス費用(Homeoffice-Pauschale):在宅勤務日数に応じた定額控除
- 職業用の機器・書籍
Sonderausgaben(特別支出):
- 追加的な健康保険・生命保険料
- 寄付金
- 教会税(Kirchensteuer)
Außergewöhnliche Belastungen(特別の経費):
- 医療費の自己負担分
申告の義務と任意
申告が義務になるのは、「複数の収入源がある」「副業がある」「フリーランス収入がある」「夫婦合算申告(Zusammenveranlagung)を選択したい」などのケースだ。
通常の給与所得者は申告義務がないケースも多いが、任意で申告すると還付を受けられることが多い。申告は過去4年分まで遡って行える(時効前)。
ツールと方法
- ELSTER(エルスター):連邦税務署の公式オンラインシステム(無料)
- TaxFix、Wundertax、Smartsteuerなどの商用アプリ(有料だが操作が簡単)
ドイツ語での申告が難しい場合は、Lohnsteuerhilfeverein(賃金税務援助協会)に比較的安い年会費で加入すると、専門家が申告を手伝ってくれる。
年間で数百〜1,000ユーロ以上の還付は珍しくない。申告をためらう理由はない。