Energiewende(エネルギー転換)はどこまで進んでいるか——ドイツの電力事情
ドイツは再生可能エネルギーへの移行(Energiewende)を宣言し、原子力を廃止しました。電力の約60%が再エネになった一方、課題も山積しています。2024〜2025年の現状を整理します。
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2023年4月、ドイツの最後の原子力発電所が停止した。
「脱原発」は2011年の福島第一原発事故後に決定的になり、13年かけて実行に移された。この選択をめぐっては今も評価が分かれているが、ドイツは脱原発と再エネ普及を組み合わせる「Energiewende(エネルギーウェンデ:エネルギー転換)」の実験を続けている。
再エネの現状
ドイツ連邦ネットワーク庁(Bundesnetzagentur)のデータによると、2024年の電力消費の半分以上を再生可能エネルギーが占めている。風力(陸上・洋上)、太陽光、バイオマス、水力——これらの合計が電力の過半数に達した。
風力が最大の電源で、特に北部の平原地帯と洋上風力が重要な役割を果たしている。
残る課題
電力価格の高さ:ドイツの家庭用電力価格は欧州でも高い水準にある(推定値だが欧州平均を上回るとされる)。再エネ普及に伴うネットワーク整備費用と再エネ賦課金が一因だ。
「暗い静穏時(Dunkelflaute)」問題:風が吹かず日射もない冬の寒い時期、再エネの発電量が大幅に落ちる。この「暗い凪」の時期に何で電力を補うか——ガス発電・電力輸入が今の現実だ。
送電網の整備:北部で発電した風力電力を、南部(工業集積地)に送る送電線が不足している。「Netzausbau(送電網拡充)」は長年のボトルネックだ。
エネルギー安全保障:ロシアのウクライナ侵攻(2022年)を機に、ロシア産天然ガスへの依存が問題化した。LNG(液化天然ガス)ターミナルの整備など、代替調達先の確保が急務になった。
家庭での電力コスト
在独者として実感するのは、電力料金の高さだ。スーパーマーケットの価格は日本と大きく変わらなくても、光熱費(Strom・Heizung)は日本の感覚より高いと感じることが多い。
省エネ家電の選択、電力会社(Stromanbieter)の比較サイトを使った乗り換え——月々の電力料金を最適化する余地はある。契約形態によっては年間数百ユーロの差が出ることもある。
ドイツのエネルギー転換は成功しているのか失敗しているのか——「どちらでもある」が正直なところだ。数字の上の成果はあるが、完成までの道のりはまだ長い。