Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
社会

農業と気候変動——柑橘類・オリーブ・ワイン生産への影響

スペインは欧州有数の農業国だが、気候変動の影響を最も強く受ける地域の一つでもある。柑橘類・オリーブ・ワイン産業への具体的な影響を整理する。

2026-04-30
農業気候変動経済食文化環境

この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。

スペインは農業大国だ。欧州最大のオリーブオイル・柑橘類生産国として世界に食料を供給している。しかし気候変動により、この産業が構造的な変化に直面している。

柑橘類産業への影響

スペインはバレンシア・ムルシア・アンダルシアで欧州最大の柑橘類生産を行う。オレンジ・レモン・マンダリンが主要作物だ。しかし近年の干ばつと気温上昇が農業用水の確保を困難にし、生産量の変動が大きくなっている。

2023年の干ばつ・高温で、アンダルシアとムルシアの一部地域で柑橘類の収量が20〜30%減少したとされる(スペイン農業省報告)。水不足が農業用の灌漑水を圧迫するため、今後も不安定な生産状況が続く可能性がある。

オリーブオイルの価格高騰

2022〜2024年にかけてスペインのオリーブオイル価格が急騰した。連続する干ばつとカエルのような高温(カニキュラ)によって生産量が大きく下落し、1Lあたりの小売価格が€4〜5から€8〜10(約640〜1,280〜1,600円)へと倍増した時期がある。

在住外国人がスーパーで「オリーブオイルが高い」と感じた2023〜2024年の背景はここにある。スペイン人にとって日常食材のオリーブオイルの高騰はインフレを実感する象徴的な出来事だった。

ワイン産業の適応

リオハ・リベラ・デル・ドゥエロ・プリオラートなどのワイン産地も気候変動に対応を迫られている。気温上昇によってブドウの糖度が上がり、アルコール度数が高くなる傾向がある。一部の生産者は収穫時期を早めたり、より標高の高い区画にブドウ畑を移したりする対策を取っている。

食品価格と在住者

気候変動が農業を直撃すると、スーパーの食品価格として在住外国人の生活にも跳ね返る。スペインの2023〜2024年の食品インフレは累計で10〜15%に達した部門もある(スペイン国家統計院INEデータ)。農業の状況と食品価格はスペイン生活のコスト管理において直接的な関係がある。

コメント

読み込み中...