ビザ・手続き
デジタルノマドビザ——2023年導入のスペイン遠隔勤務ビザの条件と申請
スペインが2023年に導入したデジタルノマドビザ(Visa para Nómadas Digitales)の取得条件・必要書類・申請の流れを詳しく解説します。
2026-04-10
スペインデジタルノマドビザリモートワーク移住
この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。
スペインは2023年、「スタートアップ法(Ley de Startups)」の一環としてデジタルノマドビザ(Visado para Nómadas Digitales)を導入した。スペイン国外の雇用主やクライアントのためにリモートで働く人が、スペインに住みながら合法的に活動できる制度だ。
Non-Lucrative Visaとの違い
Non-Lucrative Visa(非営利ビザ)との最大の違いは、スペイン国内での就労・収入活動が許可される点だ。
| 項目 | Non-Lucrative Visa | デジタルノマドビザ |
|---|---|---|
| 就労可否 | 不可 | 可(海外雇用主から) |
| スペイン国内の収入 | 原則不可 | 条件付きで可(上限20%) |
| 税制 | 通常の居住者課税 | ベッカム法適用可 |
主な取得条件
- スペイン国外に本社・活動拠点がある雇用主または複数のクライアントのためにリモートで働くこと
- スペイン国内のクライアントからの収入は全収入の20%以下に限定
- 月収の目安として、スペインのSMI(最低賃金)の200%以上——2024〜2025年時点で月約2,400EUR(約38万4,000円)以上の安定収入の証明が求められる
- 雇用の場合は少なくとも直近3ヶ月の雇用関係の継続(フリーランスの場合は直近1年)
- 無犯罪証明書
- 民間医療保険
ベッカム法(Beckham Law)の税制優遇
デジタルノマドビザの大きなメリットが、Beckham Lawと呼ばれる特別税制の適用可能性だ。通常、スペインの居住者は世界中の収入に対してスペインの累進税率(最大45〜47%)が適用されるが、Beckham Law適用者は最初の6年間、スペインでの収入に対して一律24%の税率が適用される(条件・上限あり)。
ただしBeckham Lawの申請は別途手続きが必要で、すべてのノマドビザ取得者が自動的に適用されるわけではない。
申請手順
- 日本のスペイン大使館・総領事館に書類を提出(渡航前申請)
- 初回ビザ取得(1年)
- スペイン入国後に居住許可証(TIE)を取得(3年)
- 更新で最大2年延長可能
実際の手続きの難しさ
制度の導入は2023年だが、窓口担当者による解釈のばらつきや、書類要件の不明確さが実務上の課題として報告されている。申請前に最新の要件を大使館に直接確認するか、スペインの移民弁護士・行政書士に相談する選択肢も現実的だ。
リモートワーカーにとってスペインは「気候・食・文化すべてが揃った居住地」として魅力的で、このビザはその扉を開く実用的な制度になっている。
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