Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
交通・移動

スペインの高速鉄道AVE:世界2位の路線網と「電車より飛行機が安い」矛盾

スペインのAVEは総延長でフランスを上回る欧州最長クラスの高速鉄道網を誇るが、価格設定と赤字路線の存在が政治問題化している。在住者の賢い使い方も解説。

2026-06-20
高速鉄道AVE交通スペイン鉄道旅行

この記事の日本円換算は、1EUR≒163円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

マドリード〜バルセロナ間をAVE(Alta Velocidad Española、スペイン高速鉄道)で移動すると2時間30分程度。飛行機より少し長いが、市内中心部の駅同士を結ぶため、空港アクセスを含めると総移動時間は互角か、AVEの方が早い場合もある。

ところがフライト比較サイトでマドリード〜バルセロナを検索すると、格安航空会社のチケットが片道20〜30EURで出てくることがある。AVEは早期予約で似た価格になることもあるが、当日や週末は100〜200EURになることも珍しくない。「電車より飛行機が安い」という逆転現象がある。

AVEの規模

スペインの高速鉄道(時速250km以上の路線)の総延長は4,000km超で、中国に次いで世界2位とされる(2024年時点・推定)。マドリードを中心に放射状に路線が伸び、バルセロナ・バレンシア・セビリア・マラガ・サラゴサ・バリャドリード・グラナダ等を結ぶ。

路線網の拡大は1980年代末から始まり、特にバルセロナ五輪(1992年)とセビリア万博(1992年)を契機に整備が加速した。

赤字路線問題

問題は、作りすぎた路線に利用者が集まっていないことだ。スペインのAVE路線の一部は採算が合わず、税金で補填されていると批判されている。人口が少ない内陸部の都市を結ぶ路線は、政治的な理由(地元への利益誘導)で開通したという見方もある。

「誰も乗らない高速鉄道のために何千億円もかけた」という批判はスペインの政治討論でも繰り返される。ただし地方都市の発展・企業立地・観光促進へのプラス効果もあり、採算だけで評価できない側面もある。

使い方のコツ

AVEを使う際は以下を知っておくと役立つ(2026年時点の一般的な情報):

早期割引が大きい: 1〜2ヶ月前の予約で「Promo」チケットが出ることがある。定価の40〜60%引きになることも。 RENCEのアプリ・サイトで直接購入: 仲介サイトを介すると手数料がかかる。公式サイト(renfe.com)が最安の場合が多い。 自由席と指定席の違い: AVEは全席指定。車内での席変更はできない。

在住者の実用情報

マドリード在住者がバルセロナに定期的に出張・訪問する場合、AVE通勤定期(アボノ)のような選択肢もある。ただし費用はかなり高く、週複数回移動する人向けだ。

国内移動で飛行機かAVEかを選ぶ際は、「出発・到着の駅・空港の位置関係」と「当日料金の比較」を毎回確認するのが実際的だ。どちらが安くて便利かは、行き先と日程によって毎回変わる。

コメント

読み込み中...