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文化・社会構造の分析

スペインが受け入れた移民たち:多様化する社会と摩擦の現実

スペインの人口の約14%が外国生まれとされる。中南米・アフリカ・アジア・東欧から来た人々が形成する社会の姿と、在住日本人が感じるコミュニティの空気を読む。

2026-06-25
移民多文化共生スペイン社会外国人コミュニティ社会問題

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マドリードのラヴァピエス地区を歩くと、1ブロックの中に中国料理、モロッコのカフェ、ドミニカ共和国の食材店、ネパール人がやる食料品店が並んでいる。この小さな国連のような光景は、スペインの移民社会の縮図だ。

スペインの総人口は約4,700万人(推定)で、そのうち外国生まれは推定で600〜700万人規模。外国籍者だけでも500万人を超えると報告されている(スペイン国立統計局INE、複数年のデータより)。

どこから来ているか

主要な出身国・地域:

  • ルーマニア: EU拡大後に大規模に移住した最大出身国のひとつ
  • モロッコ: 地理的近接、歴史的つながり、農業・サービス業の労働力需要
  • コロンビア・エクアドル・ベネズエラ: スペイン語圏の特権的なアクセス
  • 中国: バルセロナ・マドリードに商業コミュニティが形成
  • ウクライナ: 2022年以降の難民流入で急増

日本人の在住者は数千〜1万人程度と推定されており、規模は大きくないが、コミュニティは存在する。

スペイン語圏移民の統合の速さ

中南米からの移民はスペイン語をすでに話せるため、言語的な統合の壁が低い。ただしアクセント・語彙の違いで差別を受けるケースもある。「南米のスペイン語は正しくない」という無意識の偏見を持つスペイン人がいることは、当事者から聞いた話だ。

アフリカ系移民への視線

モロッコやサブサハラアフリカからの移民は、農業・建設・サービス業に多く従事している。カナリア諸島は地理的にアフリカに近く、地中海からの不正規入国の中継地になっているため、社会的緊張が生まれやすい地域でもある。

排外主義の台頭

スペインでもBOX(Vox)党という右派ポピュリスト政党が2015年以降に台頭し、移民制限・反フェミニズム・反カタルーニャ自治を主要論点にしている。支持率は2023年の選挙で後退したが、存在感は消えていない。

他の欧州諸国と同様、「移民が増えると治安・経済・文化が壊れる」という不安を利用した政治が機能しやすい状況はある。

日本人在住者の立ち位置

スペインで暮らす日本人は、「外国人」のカテゴリに入るが、可視性・差別リスクという点では中南米やアフリカ系移民とは異なる扱いを受けることが多い。

それを「優遇されている」と感じるか、「存在を無視されている」と感じるかは人によって違う。どちらにせよ、スペインの多様な移民社会の中で自分がどういう立ち位置にあるかを理解しておくことは、長く暮らす上で有益だ。

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