オリーブオイル生産大国——アンダルシアの農場と食文化での使い方
スペインは世界最大のオリーブオイル生産国だ。アンダルシアの農場と、在住者が日常の食事でオリーブオイルをどう使うのかを紹介する。
この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。
スペインのスーパーに来て最初に驚くのが、オリーブオイルの棚の長さだ。数十種類のブランドが並び、1Lで€3〜20(約480〜3,200円)という価格幅がある。何が違うのかを知ると、スペインの食文化の深さが見えてくる。
世界最大の生産国
スペインは世界のオリーブオイル生産量の約40〜50%を占める最大生産国だ(国際オリーブオイル評議会データ)。主産地はアンダルシア州で、ハエン県だけで世界生産の約20%を担う。丘陵地帯を見渡す限りオリーブ畑が続く景観は、この地方の象徴だ。
品質の分類
スペインのオリーブオイルは品質によって分類される:
- エクストラバージン(AOVE):最高品質。酸度0.8%以下。フレッシュな香りがある
- バージン:酸度2%以下。品質はやや落ちる
- オリーブオイル(精製油混合):日本でいう「オリーブオイル」の多く。加熱調理向き
在住者の多くは料理用には「オリーブオイル(精製)」を、生食・サラダ・パンへの塗布には「エクストラバージン」を使い分ける。日本でよく見る「オリーブオイルで炒める」はスペインでは日常だが、エクストラバージンを高温加熱するのは「もったいない」というのが現地の感覚だ。
スペインの食卓でのオリーブオイルの使い方
スペインではほぼすべての料理にオリーブオイルが使われる。トースト(トスターダ)には、バターでなくオリーブオイルを垂らしてトマトをこすりつける「パン・コン・トマテ(pa amb tomàquet)」が標準的な朝食だ。スープ・炒め物・肉のグリル・サラダすべてにオリーブオイルが入る。
量の感覚も日本と異なる。「適量」がスペイン料理では日本人が「多い」と感じる量だ。健康的なオイルとして積極的に使うのがスペインの文化だ。
農家訪問と収穫体験
アンダルシア在住であれば、11〜12月のオリーブ収穫シーズンに農場見学ツアーに参加できる機会がある。ハエン・コルドバ周辺の農場では、実際の収穫体験とオリーブオイルのテイスティングプログラムを提供しているところがある。スペインの食文化を一歩深く知るための体験として価値がある。