スペインのクリスマスは宝くじで始まる——エル・ゴルドの賞金総額EUR 24億
スペインのクリスマス宝くじ「エル・ゴルド」は賞金総額EUR 24億、世界最大の宝くじ。12月22日に国中が抽選を見守る文化と、その経済的仕組み。
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毎年12月22日の朝、スペインの国営テレビは4時間以上にわたって宝くじの抽選を生中継する。子どもたちの合唱団が当選番号を歌い上げる。バルやカフェでは全員がテレビの前に釘付けになる。これが「エル・ゴルド(El Gordo、太っちょ)」——賞金総額EUR 24億(約3,840億円)の世界最大の宝くじだ。
なぜ世界最大なのか
エル・ゴルドは1等賞金が最も高い宝くじではない。1等はEUR 400,000/デシモ(1枚あたり)で、アメリカのパワーボールの1等に比べれば控えめだ。しかし、当選者数が桁違いに多い。同じ番号のくじが大量に発行されるため、1等当選番号に該当するくじが全国で数千枚ある。
賞金総額でEUR 24億。これは宝くじ単体としては世界最大だ。「少数の億万長者を生む」のではなく「大勢に分配する」設計になっている。
デシモの仕組み
エル・ゴルドのくじは1枚(ビジェテ)EUR 200だが、それを10分割した「デシモ(decimo)」EUR 20単位で購入するのが一般的だ。さらにデシモを職場や友人グループで分割購入し、1人EUR 2〜5ずつ出し合う「participacion」も広く行われている。
この分割購入の文化が、エル・ゴルドの社会的機能を生んでいる。同じ番号を共有するグループが当選すると、職場全員や村ぐるみで当選金が分配される。過去には、ある村の住民の大半が同じ番号を持っていて、村全体が一夜にして裕福になった事例もある。
当選金の税金
EUR 40,000を超える当選金には20%の源泉税がかかる。デシモ1枚でEUR 400,000を獲得した場合、課税対象はEUR 360,000(40,000を控除)で、税額はEUR 72,000。手取りはEUR 328,000(約5,250万円)だ。
在住者としてのエル・ゴルド
スペインに住んでいるなら、12月にはどこかで「No te olvides de comprar el decimo」(デシモ買うの忘れないで)と言われるだろう。職場で「participacion」の回覧が回ってくることもある。
断ることもできるが、もし自分だけ参加せずに職場のグループが当選した場合、翌日から非常に気まずくなる。EUR 5程度の出費で保険と考える在住者が多い。
エル・ゴルドは宝くじであると同時に、スペインの社会的接着剤だ。同じ番号を共有することが、同じコミュニティに属することの証になっている。