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スペインの緑の十字架は夜も光る——24時間薬局「Farmacia de Guardia」の仕組み

スペインでは薬局(Farmacia)が交代制で24時間営業する。緑の十字架の意味、当番薬局の探し方、処方箋なしで買える薬の範囲を在住日本人向けに解説。

2026-05-22
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スペインの街を歩くと、緑色の十字架が目に入る。点灯していれば営業中、消灯していれば閉店。この十字架がスペインの薬局(Farmacia)の目印だ。

注目すべきは、深夜2時でも緑の十字架が光っている薬局があることだ。スペインには「Farmacia de Guardia」(当番薬局)制度があり、地域ごとに交代で24時間営業する薬局が必ず1軒ある。日曜も祝日も、薬が買えない日はない。

当番薬局の仕組み

各地域の薬剤師会(Colegio de Farmacéuticos)が当番表を作成し、薬局が輪番で夜間・休日の営業を担当する。全ての薬局の入口には、最寄りの当番薬局の住所と電話番号が掲示されている。

深夜の当番薬局は、シャッターが閉まっていることがある。だがインターホンを押せば薬剤師が対応してくれる。小窓から薬を受け取る——映画のワンシーンのようだが、スペインでは日常だ。

探し方は3つ。

  1. 閉まっている薬局の入口に掲示された当番表を見る
  2. 電話: 各都市の薬剤師会に問い合わせる
  3. アプリ: 「Farmacias de guardia」で検索すると位置情報ベースで当番薬局を表示するアプリがある

処方箋なしで買える薬

スペインの薬局では、日本より多くの薬が処方箋なし(sin receta)で購入できる。

  • 鎮痛剤(イブプロフェン600mg、パラセタモール1g)
  • 風邪薬、咳止め
  • 胃腸薬(オメプラゾール)
  • 抗アレルギー薬(セチリジン等)
  • 軟膏・消毒薬
  • ビタミン剤・サプリメント

抗生物質は処方箋が必要だ。ただし実態としては、薬剤師の判断で少量を処方箋なしで売ることがある(特に地方の小さな薬局)。正式にはNG行為だが、スペインでは「薬剤師の裁量」が広い。

薬剤師の役割

スペインの薬剤師(farmacéutico/a)は、日本の薬剤師以上に「相談窓口」として機能している。軽い症状なら、医者に行く前に薬局で相談するのがスペインの一般的な流れだ。

「頭が痛い」「お腹が痛い」「喉が腫れている」——症状を伝えれば、適切な薬を選んでくれる。スペイン語で症状を伝えるのが難しい場合は、Google翻訳や身振りでも通じる。薬剤師は慣れている。

在住日本人のよくある使い方

日本から持ってきた常備薬が切れたとき、同じ成分の薬をスペインの薬局で買える。「イブプロフェン(Ibuprofeno)」「パラセタモール(Paracetamol)」など、成分名は世界共通なので、日本語の薬の成分表を見せれば対応してくれる。

価格は日本より安いことが多い。イブプロフェン20錠でEUR 2〜3(約320〜480円)程度。日本のドラッグストアの半額以下だ。

緑の十字架は、スペインの街で最も信頼できるサインの一つだ。言葉が通じなくても、体調が悪くても、あの光を目指して歩けば助けがある。

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