Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
グルメ

バレンシアと本場パエリア——火曜日・水曜日は作らない理由

パエリアはスペイン全土で食べられているが、本場はバレンシアだ。「火曜・水曜には作らない」という地元の慣習を含め、本場のパエリア文化を在住者の視点で紹介する。

2026-04-22
グルメパエリアバレンシア食文化文化

バレンシアに住んで最初の週末、近所のバルで「今日はパエリアがある」と言われた。日曜の昼、中庭で薪火を使って巨大なパンで炊かれるパエリアは、東京のレストランで食べたそれとは別の食べ物だった。

バレンシア・パエリアの本来の姿

本場バレンシアのパエリアは「バレンシアーナ・パエジャ」と呼ばれ、材料は鶏肉・ウサギ肉・インゲン豆・大きな白いインゲン(ガロファ)・ローズマリー・サフランが基本だ。魚介は入らない。「シーフードパエリア(パエジャ・デ・マリスコス)」はバレンシア以外のスペインや観光地向けに変形したものだ。

バレンシアの地元の人に「魚介パエリアはバレンシア風ですか」と聞くと、苦笑いしながら「それはパエリアとは呼べない」と答える人が多い。

「火曜・水曜には作らない」という慣習

バレンシア市周辺では「パエリアは火曜日と水曜日には作らない」という慣習がある。理由はバレンシアの市場(メルカード)が火曜・水曜に新鮮な食材の入荷が少ないからというのが一般的な説明だ。これは厳格なルールではないが、地元のバルで「今日は火曜だからパエリアはない」と言われることは実際にある。

調理の正しい作法

バレンシアのパエリア職人には「グロリア(炎のパン焼け)」という概念がある。コメの底面が薄く焦げ付いた「ソカラット」を作ることが名人の証で、これを意図的に作れるかどうかが腕の差だ。

薪火・木炭が理想的な熱源とされ、オレンジの木の薪を使うバレンシアの老舗レストランも多い。

バレンシアでパエリアを食べるなら

  • 週末のランチ(13〜16時)が本場で食べる最適なタイミング
  • アルブフェラ湖畔(湖沿い)の老舗レストランが伝統的なバレンシアーナを提供
  • 観光エリア(旧市街)の安価なパエリアは品質がばらつく
  • 良いパエリアの最低価格は1人前€15〜20(約2,400〜3,200円)が目安。€8以下は疑ってよい

在住者として週に1回バルのランチパエリア(€10〜13程度)を食べ続けると、1ヶ月で「本物」の基準が自然と身に付く。

コメント

読み込み中...