8月のパリはパリ市民が誰もいない——在住者が体験する「空の街」の不思議な魅力
フランス人の大半が8月にヴァカンスを取るため、8月のパリは住民が消え観光客だけが残る奇妙な街になる。在住者が感じる8月の空気感と、この時期ならではの楽しみ方を解説する。
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パリに住んで最初の8月を迎えたとき、「あれ、街がいつもより静かだ」と感じる。よく見ると、行きつけのパン屋が閉まっている。ドライクリーニング屋も。近所のカフェも。
フランス人はみんなどこかに行ってしまった。これが8月のパリだ。
フランス人の8月休暇
フランスの法定有給休暇は年間5週間(25日)で、多くのフランス人がこのほとんどを7〜8月に集中させる。特に8月は「フランス人がフランスを離れる月」であり、南フランス・海外・故郷への移動が集中する。
パリの中小商店(ブーランジュリー、コーヒーショップ、レストラン)の多くが8月に2〜4週間の夏休みを取る。「7月末〜8月末まで休業」という張り紙を見かけることは普通だ。
8月のパリの実態
住民が減った分、観光客の割合が増える。観光地(ルーヴル・エッフェル塔・ノートルダム周辺)は逆に混雑していることもある。しかし住宅地・生活エリアは静かになる。
料理学校・習い事の教室・スポーツジム——多くの施設が8月に休業する。「パリで何か習い始めようとしたら9月まで待ってください」と言われることが多い。
在住者から見た8月の良さ
「8月のパリは観光客だらけで嫌だ」というフランス人は多いが、在住外国人から見ると8月のパリには独特の良さがある。
- 地下鉄・バスが空いていて快適
- 人気レストランの予約が取りやすくなる
- 公園でゆったり過ごせる
- パリ市民の「生活の喧騒」が静まり、街が別の顔を見せる
「夏のパリに住む外国人が、ヴァカンス中のパリを独り占めにする」という感覚を楽しめる時期だ。
8月の生活でこまること
- 行きつけの店が突然休業している
- 緊急事態(医療等)で対応できる場所が限られる
- 友人・知人のフランス人が全員不在でコミュニティが寂しくなる
医療機関は緊急サービスは維持されるが、かかりつけ医(médecin traitant)が長期休暇の場合がある。8月前に必要な診察を済ませておくのが在住者の習慣だ。