フランス賃貸の住宅保険(assurance habitation)——加入しないと契約解除される
フランスでは賃貸入居時に住宅保険への加入が法律で義務付けられています。保険の種類、相場、加入手順、未加入時のリスクを解説します。
この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(EUR)の金額を基準にしてください。
フランスで賃貸物件に住むなら、住宅保険(assurance habitation)は任意ではない。法律上の義務だ。
法律上の義務
1989年の住宅法(Loi du 6 juillet 1989)により、フランスの賃借人は住宅保険への加入が義務付けられている。大家は入居時に保険証書(attestation d'assurance)の提示を求める権利があり、毎年の更新時にも提出を求められることがある。
未加入のまま放置すると、大家側は契約解除の手続きを取ることができる。実際に裁判例もあるため、これは形式的なルールではない。
何をカバーするのか
assurance habitationの基本補償は以下の3つ。
- 火災・爆発(incendie/explosion): 自分の過失による火災で建物や他の入居者に損害を与えた場合の賠償
- 水害(dégât des eaux): 水漏れによる被害。フランスの古い建物では配管トラブルが多く、実際に最も請求件数が多い
- 盗難(vol): 侵入盗による家財の損害
オプションで家財保険(garantie mobilière)、ガラス破損(bris de glace)、自然災害(catastrophe naturelle)などを追加できる。
保険料の相場
パリのワンルーム(studio/T1)で年間€80〜€150(約12,800〜24,000円)が目安。T2(1LDK相当)で€120〜€200(約19,200〜32,000円)、T3以上で€150〜€300(約24,000〜48,000円)程度。地方都市はパリより2〜3割安い傾向にある。
加入方法
オンラインで完結する保険会社が増えている。必要なものは以下の通り。
- 住所(物件の面積と部屋数)
- RIB(銀行口座情報)
- 身分証明書
MAIF、MACIF、Luko、Lovysといった保険会社・insurtech系のサービスがある。加入後すぐにPDFで証書(attestation)が発行されるので、それを大家に提出する。
入居前に加入しておく
大家に鍵を渡される前に保険証書を求められることがほとんどだ。物件が決まった時点で、état des lieux(入居時現況確認)の日までに加入しておく必要がある。