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フランスの引っ越しは7月1日に集中する——移動日の法則と住居探しの裏側

フランスの賃貸契約は7月1日と9月1日に集中します。その理由は学校年度・バカンス・退去通知期間の三重構造にあります。

2026-05-27
フランス引っ越し賃貸住居パリバカンス

この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(EUR)の金額を基準にしてください。

フランスの引っ越しシーズンは日本の「3月末〜4月初旬」ではない。7月1日だ。パリの引っ越し業者は6月後半から7月にかけて予約が殺到し、料金も通常の1.5〜2倍に跳ね上がる。

なぜ7月1日なのか

3つの要因が重なっている。

学校年度: フランスの学校年度は9月開始。夏のバカンス前に退去し、9月の新学期に合わせて新居に入る家庭が多い。

バカンス: 7〜8月は国民的な長期休暇期間。この間に引っ越しを済ませ、8月はバカンスに出かけるというスケジュールが定着している。

退去通知期間(Préavis): フランスの賃貸契約では、退去の1〜3ヶ月前に書面で通知する義務がある。家具付き物件(meublé)は1ヶ月前、家具なし物件(non meublé)は通常3ヶ月前。4月頃に退去通知を出すと、ちょうど7月退去になる。

パリの引っ越し費用

パリ市内のワンルーム〜2LDK程度の引っ越し費用:

  • 繁忙期(6〜7月): €800〜€2,000(約128,000〜320,000円)
  • 閑散期(10〜3月): €400〜€1,000(約64,000〜160,000円)

フランスでは「自力引っ越し」も一般的だ。友人に手伝いを頼み、レンタカーのバン(€50〜€100/日)で運ぶ。手伝ってくれた友人にはピザとビールを振る舞うのが暗黙のルールになっている。

退去時の「État des lieux」

フランスの賃貸で最も揉めやすいのが「État des lieux de sortie(退去時の現状確認)」だ。入居時に大家と共同で作成した物件の状態記録(État des lieux d'entrée)と比較し、損耗があれば敷金から差し引かれる。

壁の小さな穴、塗装の黄ばみ、床の傷——フランスの大家はこうした細部を詳細にチェックする。入居時の記録を写真付きで残しておくことが、敷金返還の交渉材料になる。

在仏日本人の引っ越し事情

パリの日本人コミュニティでは、帰任する駐在員の物件を引き継ぐケースがある。不動産エージェントを通さず、口コミで「次の入居者」が見つかることも。

ただし、フランスの賃貸法では家主の許可なく転貸(sous-location)することは原則禁止されている。物件の引き継ぎは、既存契約の解約と新規契約の締結という正規の手続きを踏む必要がある。

引っ越し日を選べるなら、9月後半〜10月がおすすめだ。新学期の混乱が落ち着き、バカンスから戻った大家と直接交渉しやすい。物件の選択肢も7月ほどは多くないが、競争率は格段に下がる。

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