フランスの労働法典は900ページを超えるが、在住者が知るべき基本は5つだけ
フランスの労働法(Code du travail)はヨーロッパ最厚クラスとも言われるが、在住外国人の労働者が特に知っておくべき基本的な権利——残業・解雇・有休・最低賃金・試用期間——を分かりやすく解説する。
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フランスの労働法典(Code du travail)は900ページを超えるとも言われる膨大な法律だ。しかしフランスで働く在住外国人が「最低限知っておくべきこと」は、それほど多くない。5つの基本を押さえるだけで、不当な扱いを受けたときに気づける。
1. CDIとCDDの違い
CDI(無期雇用契約): 期限なし正規雇用。フランスでは「安定した仕事」の代名詞で、家賃の審査・住宅ローンにも有利だ。解雇するためには正当な理由と一定のプロセスが必要になる。
CDD(有期雇用契約): 期限付き雇用。最長18カ月(一部特例で24カ月)で更新に制限がある。連続してCDDを更新し続けることにも法的制限がある。
外国人がフランスで就労する場合、CDIかCDDかはビザ更新や永住権申請の際にも影響することがある。
2. 法定最低賃金(SMIC)
フランスの法定最低賃金はSMIC(Salaire Minimum Interprofessionnel de Croissance)と呼ばれ、毎年1月1日に改定される。2025年時点でのSMIC時給は11EUR台(毎年改定されるため最新値はtravail-emploi.gouv.frで確認が必要)。フランス国内の全ての雇用者に適用される。
3. 有給休暇(congés payés)
フランスの法定有給休暇は年間5週間(30労働日)。これはEUで最も長い水準に入る。雇用主は有給を取得させる義務があり、「有休を消化させない」ことは違法だ。
夏季休暇(congés d'été)は一般的に7月〜8月に集中する。4週間分を夏に、残り1週間を別の時期にという取り方が慣行だ。
4. 試用期間(période d'essai)
CDIの場合、職種によって1〜4カ月の試用期間が設定される。試用期間中は雇用主・従業員双方が比較的容易に契約を終了できるが、一定の通知期間が必要だ。試用期間が過ぎると解雇要件が格段に厳しくなる。
5. 解雇の難しさ
フランスでは解雇するためには「正当な理由(cause réelle et sérieuse)」が必要で、手続きも厳格だ。経済的理由による解雇(licenciement économique)は特にプロセスが複雑だ。
「CDIはいったん雇ったら解雇しにくい」という認識がフランス企業の採用慎重さの一因とも言われる。
在住外国人が労働問題に直面したら、Prud'hommes(労働裁判所)や無料相談窓口(Défenseur des Droits等)を活用できる。