フランスのバカロレア試験は高校卒業試験だが、その重さは日本の大学入試に近い
フランスの高校卒業資格「バカロレア(baccalauréat)」は大学入学資格も兼ねており、受験シーズンはフランス社会全体に影響する。フランスの教育制度と日本との違いを解説する。
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6月のフランスで「バック(Bac)」という言葉を聞いたら、バカロレア(baccalauréat)試験のシーズンだ。フランスの高校最終学年(Terminale)の生徒が受験し、これに合格すると高校卒業資格と大学入学資格が同時に得られる。
バカロレアの仕組み
バカロレアは統一試験で、フランス全土で同じ時期・同じ問題で実施される。科目は選択した専攻(général=普通科、technologique=技術科、professionnel=職業科)によって異なる。
普通科(général)の試験では哲学(philosophie)が全生徒必須だ。「幸福は義務か?」「技術は人を自由にするか?」といった問いに対して4時間で論文を書く——これがフランスの高校生が最初に直面する試練のひとつだ。
合格率と大学入学
近年バカロレアの合格率は80〜90%台で推移しており(Ministère de l'Éducation nationale発表)、合格率が上昇傾向にある。ただし合格=希望の大学・学部への入学ではない。
希望の大学・学部へのマッチングは「パルクールスープ(Parcoursup)」というオンラインシステムで行われる。医学部・名門校(グランド・ゼコール準備クラス)などは倍率が高く、バカロレアの成績が重要になる。
在住外国人の子どもと教育
フランスの公立学校に通う外国人の子どもはバカロレアの受験が可能だ。フランス語能力が問われるため、フランスに移住してすぐの子どもには特別支援クラス(ULIS・UPE2A等)が設けられている自治体もある。
インターナショナル・バカロレア(IB)とフランスのバカロレアは別物だが、フランス国内にもIBプログラムを提供する学校がある。
バカロレアシーズンの社会への影響
試験期間中(6月〜7月初旬)は、受験生の宿泊する旅館・ホテルが試験会場近くで埋まる。また保護者の間では「子どものストレスをどう支えるか」が会話の中心になる。テレビ・SNSでは哲学試験の問題が毎年話題になり、「もし自分が受けたら何を書く?」という議論が広がる。これもフランス文化のひとつだ。