Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
生活・インフラ

フランスのハイパーマーケット——カルフールの次に何が来るのか

フランスが生んだハイパーマーケット業態はカルフールを筆頭に世界に広がりました。しかし本国フランスでは変化の波が押し寄せています。

2026-05-03
スーパーカルフール買い物食品

この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨(EUR)の金額を基準にしてください。

世界初のハイパーマーケットは1963年にパリ郊外のサント・ジュヌヴィエーヴ・デ・ボワにオープンしたCarrefour(カルフール)です。食品・衣料・家電・日用品を1つの巨大な店舗に集約するという発明はフランスで生まれました。60年後の今、その発明が本国で揺らいでいます。

フランスの大手スーパー勢力図

フランスの食品小売市場シェア(Kantar, 2024年):

チェーン市場シェア特徴
E.Leclerc約23%協同組合方式。低価格戦略で首位
Carrefour約20%ハイパー発祥。最も国際的
Intermarché約16%独立系。地方に強い
Système U約12%協同組合。中規模都市
Auchan約9%家族経営の大手
Lidl約8%ドイツ系ディスカウンター

E.Leclerc(ルクレール)がカルフールを抜いて首位——というのは日本ではあまり知られていません。

ハイパーマーケットの衰退

フランスのハイパーマーケット(売場面積2,500㎡以上)は苦戦しています。2010年代以降、売上は横ばいまたは微減。代わりに成長しているのは以下の業態です。

プロキシミティ(近接型小型店舗):Carrefour City、Monop'(Monoprixの小型版)、Franprix等。都市部の住宅街に100〜400㎡の小型店舗を展開。「車で郊外の巨大店舗に行く」より「歩いて近所の小型店舗に行く」ニーズが増えている。

ドライブ(Drive / Click & Collect):ネットで注文し、店舗の駐車場で受け取る方式。フランスで独自に発展し、食品EC売上の約半分を占めます。家族連れが週末にまとめ買いをする行動パターンを維持しつつ、店内を歩き回る時間を省くハイブリッド型です。

ディスカウンター:Lidl、Aldi(ドイツ系)がフランスで急成長。Lidlは高品質PBを強化し、「安いだけの店」から「コスパの良い店」にイメージ転換に成功。

在住者にとっての使い分け

フランスに住むと、複数のスーパーを使い分けることになります。

週末のまとめ買い:E.Leclerc、Carrefour Hypermarché、Auchan。車で行って1週間分の食材をまとめ買い。または「Drive」でネット注文→駐車場で受け取り。

平日の買い足し:Carrefour City、Monoprix、Franprix。都心部の小型店舗で足りないものを買い足す。

安く済ませたい時:Lidl、Aldi。PB商品の品質は驚くほど高い。Lidlのバゲットは全国パンコンクールで入賞したこともある。

品質重視:Monoprix、Bio c' Bon。オーガニック(Bio)食品の品揃えが充実。パリの高級住宅街に多い。

食品価格の目安

フランスのスーパーの食品価格(2025年時点):

品目価格
バゲット(パン屋)EUR 1.10〜1.50(約176〜240円)
牛乳 1LEUR 1.00〜1.30(約160〜208円)
鶏胸肉 1kgEUR 8〜12(約1,280〜1,920円)
トマト 1kgEUR 2.50〜4.00(約400〜640円)
ワイン(テーブルワイン)EUR 3〜6/本(約480〜960円)
卵 12個EUR 2.50〜4.00(約400〜640円)

日本と比べて安いのは乳製品、ワイン、パン。高いのは野菜・果物(特に冬季)と魚介類です。

Marché(マルシェ)という選択肢

スーパーとは別に、フランスには週2〜3回の定期市場「Marché(マルシェ)」があります。新鮮な野菜・果物・チーズ・肉を農家や専門業者から直接買える。価格はスーパーと同等かやや高めですが、品質は段違い。

パリでは各区(Arrondissement)に少なくとも1つのマルシェがあります。地方都市でも週末のマルシェは社交の場として機能しています。

フランスの食品小売は「郊外のハイパーマーケット」から「都市の小型店舗+ドライブ+マルシェ」へと重心が移っています。この変化を体感するのも、フランスに住む面白さのひとつです。

コメント

読み込み中...