Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
医療・健康

フランスの医療保険を理解する——セキュリテ・ソシアルとミュチュエルの組み合わせ

フランスの公的医療保険(Assurance Maladie)はすべての費用をカバーするわけではない。患者負担分をカバーする補足保険(Mutuelle)が必要な理由と、在留外国人の加入選択肢を整理する。

2026-06-26
医療保険ミュチュエルセキュリテ・ソシアル在留外国人

この記事の日本円換算は、1EUR≒163円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

フランスは「医療費がほぼ無料の国」と言われる。でもそれは正確ではない。「公的保険が一部をカバーし、残りを補足保険(ミュチュエル)が補う」という二層構造だ。

公的医療保険(Assurance Maladie / CPAM)の仕組み

フランスの公的医療保険は「Sécurité Sociale(セキュリテ・ソシアル)」の一部を構成する。かかりつけ医(médecin traitant)の診察料・検査・処方薬の一定割合(通常70%)が保険でカバーされる。

ただし「全額カバー」ではない。専門医への直接受診(かかりつけ医を経由しない場合)は還付率が下がる。歯科・眼科・補聴器は公的保険のカバーが薄い。

また医師には「セクター1・2・3」の区分があり、セクター2・3は料金設定が自由で、公的保険の還付上限を超えた分が自己負担になる。

ミュチュエル(補足保険)とは

ミュチュエル(Mutuelle)はこの公的保険の「穴」を埋める民間の補足保険だ。フランスでは職場単位での加入が義務化されており(2016年法律)、正社員は雇用主が費用の50%以上を負担する。

歯科・眼科の自己負担額が大きく軽減されるプランや、差額診察料の一部補填を含むプランがある。掛け金は月20〜100ユーロ以上と幅広い(カバー範囲による)。

在留外国人の加入

就労ビザで雇用されている場合は、職場のミュチュエルに自動加入または選択加入できることが多い。

学生・フリーランサー・収入なしで滞在している場合は自分でミュチュエルを選ぶ必要がある。比較サイト(LesFurets、Assurland等)でプランを比較できる。

また「Complémentaire Santé Solidaire(CSS)」という低所得者向けの無料または低費用の補足保険が存在する(収入要件あり)。

PUMaとPAMAで入れる条件

フランスに3か月以上合法的に在住する外国人は「PUMa(保護ユニヴェルセル・マラディ)」という制度で公的医療保険に入れる。就労の有無によらず、基本的な医療保険の対象になる。

ただしPUMAだけでは上述の自己負担が残る。ミュチュエルとの組み合わせが実質的に必要になる理由がここにある。

コメント

読み込み中...