フランスの医療費は「ほぼ無料」ではなく「立替払い後に一部還付」の仕組みだ
フランスの医療費は社会保障(Sécurité Sociale)で70%程度が還付されるが、残り30%は自己負担になる。CPAM登録と補完保険(mutuelle)の役割、在住外国人が医療を受ける際の流れを解説する。
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「フランスの医療は無料」という話を聞いてフランスに来た人が、最初の診察の後に「え、お金払うの?」と驚くことがある。フランスの医療は「無料」ではなく「社会保障による自己負担軽減制度」だ。
仕組みの概要
フランスに住んで一定の条件を満たすと、**CPAM(国民健康保険金庫)**に加入して「カルト・ヴィタル(Carte Vitale)」という健康保険カードを受け取れる。
診察・投薬の費用は通常:
- 社会保障(CPAM)が約70%を還付(診察種別によって異なる)
- 残り30%は自己負担
自己負担分をカバーするために「ミュチュエル(mutuelle、補完保険)」に別途加入するのが一般的だ。就労者は多くの場合、雇用主が補完保険の費用を一部負担する義務がある(ANI協定以降)。
外国人の保険加入
在フランスの外国人で、フランスで就労または一定期間以上合法的に滞在している場合は、**PUMA(Maladie Universelle de Protection)**という制度でフランスの健康保険に加入できる。条件を満たせば無収入または低収入の人も加入可能だ。
手続きはCPAMに申請書と必要書類を提出する。オンライン(ameli.fr)でも一部手続きが可能だ。
カルト・ヴィタルの発行
CPAMに登録すると、数週間〜数カ月でカルト・ヴィタルが郵送される。診察時にこのカードを提示すると、還付手続きが自動化される。
カードが来るまでの期間は、アテスタシオン(証明書、PDF)が代わりに使える。
かかりつけ医(médecin traitant)の重要性
フランスでは「かかりつけ医(médecin traitant)」を1人登録することが推奨されている。登録したかかりつけ医を経由して専門医を受診すると、社会保障の還付率が高くなる。登録せずに専門医に直接かかると還付率が下がる仕組みだ。
かかりつけ医の登録はCPAMのウェブサイトまたは紙の書類で行う。
在住者の実用情報
救急(urgences)はどの人でも受診できる。費用は後から請求されることが多い。日本語通訳が利用できる病院はパリを中心に一部存在するが、基本的には医療フランス語の最低限の準備があると安心だ。