TGVで2時間——フランスの鉄道が「距離の感覚」を変えた
TGV(フランス高速鉄道)はパリとリヨンを2時間、ボルドーを2時間ちょっとで結ぶ。高速鉄道が整備されたことでフランス人の「距離感」は変わった。日常の移動手段としての鉄道とSNCFの現実。
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「リヨンまで出張するのに、朝8時のTGVで行って夕方に帰ってくる」——フランス人がさらりと言う。東京から大阪くらいの距離感だ。新幹線と同じ発想がここにもある。
TGVの現在
TGV(Train à Grande Vitesse)は1981年にパリ〜リヨン間で開業した。最高速度は営業運転で320km/h前後(推定)。現在はパリを中心に国内主要都市と、隣国への国際列車(タリス、ユーロスター等)が接続する。
運賃はダイナミックプライシングで、早期予約(90日前〜)で大幅に安くなる。パリ〜リヨン間2等席の早割価格は20〜30ユーロ台(約3260〜4890円)から見つかることがある。逆に当日購入は同区間でも100ユーロ超になりうる。
SNCFの予約と実態
SNCF(フランス国鉄)のアプリ・ウェブサイトから予約できる。割引カード(Carte Avantage:若者・家族・シニア向け)を持つと、予約時の割引率が上がる。
フランスの鉄道が「遅延する」という評判は一定程度正しい。ストライキ(社会的行動、grève)によって列車が止まることもある。日本の新幹線と比べると定時運行の信頼性は低いが、中長距離の移動手段としては飛行機や車より環境負荷が低く、多くの区間でコスト・時間のバランスがとれている。
地方路線の危機
TGVが光り輝く一方で、地方の在来線(TER)は苦境にある。人口減少の地域では本数が少なく、接続が悪い。「鉄道のある地方」と「車がないと生きられない地方」の格差は大きい。
マクロン政権は地方の在来線廃止を抑制し、自転車・鉄道の組み合わせ(サイクルレール)を推進する方針を打ち出しているが、予算・地方コミュニティとの調整が課題だ。
在留日本人の使い方
パリを拠点にしている場合、週末旅行にTGVは便利だ。パリ〜マルセイユ3時間、パリ〜ストラスブール2時間強、パリ〜ブリュッセル(ベルギー)1時間半——ヨーロッパの旅がパリから手軽にできる。
Interrailパス(EU外在住者はEurailパス)を使えばある程度自由に動けるが、TGVには座席予約料(数ユーロ〜)が別途かかる場合があるので確認が必要だ。