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大学だけが道じゃない——イギリスの見習い制度(Apprenticeship)という選択肢

イギリスでは高校卒業後に大学ではなくアプレンティスシップを選ぶ若者が増えています。収入を得ながら資格を取るこの制度の実態と、在住者の子どもへの影響を解説します。

2026-06-16
アプレンティスシップ職業訓練キャリアイギリス教育

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大学の学費が年間9,250ポンド(約182万円)を超えるイギリスで、「大学に行かない選択」をする若者が増えている。

その選択肢のひとつが、アプレンティスシップ(Apprenticeship)だ。

アプレンティスシップとは

アプレンティスシップは、就業しながら職業訓練と資格取得を行う制度だ。日本の見習い制度に近いが、政府が認定する公式の枠組みがあり、資格レベルも明確に定められている。

参加者は雇用主のもとで働きながら、通常週1日または隔週で大学・カレッジに通って理論を学ぶ。期間は1〜6年(レベルによって異なる)。

給与をもらいながら資格が取れる

アプレンティスシップの最大のポイントは、給与を受け取りながら資格を得られることだ。最低賃金は一般の最低賃金より低い「アプレンティス賃金」だが(2024年時点で時給6.40ポンド程度が最低保証、詳細はGov.uk公式を参照)、習熟すれば雇用主は通常以上の賃金を払う場合も多い。

費用の面では、雇用主と政府がトレーニング費用を負担する仕組みのため、参加者は学費を払わずに資格を取得できる。大学の学費ローンを背負わない点は、インフレ時代の英国では大きなメリットだ。

どんな職種があるか

以前は建設・料理・美容といった技術職が中心だったが、近年はデジタル、金融、法律、医療など「プロフェッショナル」な分野にも広がっている。

「Degree Apprenticeship(学位付きアプレンティスシップ)」は、大学の学位も取得できるコースで、Deloitteやロールス・ロイスなど大企業が提供している。大学の学費ゼロ、給料あり、卒業後は就職先確定——という組み合わせが人気を集めている。

「大学を選ばなかった人」という偏見との戦い

現実として、イギリスの職場文化では「オックスブリッジ or その他」「大学卒 or それ以外」という階層意識が残っている。アプレンティスシップ経験者が面接で「学歴」を問われる場面もゼロではない。

ただし、この偏見は変わりつつある。大企業のHR部門が「大学の学位よりスキルと経験を重視する」方針を打ち出すケースも増えており、特にIT・エンジニアリング系ではアプレンティスシップ出身者の評価が高まっている。

在住者の子どもにとって

中学生・高校生の子どもがいる在住者は、大学進学以外の選択肢として早めにアプレンティスシップを認知しておくのがよい。政府公式サイト「Find an Apprenticeship(Gov.uk)」では職種・地域・レベル別に検索できる。

大学ありきではなく、「どの道が自分に合うか」を考える文化が、イギリスでは少しずつ育ってきている。

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